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【J2:第2節 京都 vs 千葉】レポート:京都が、テンポの早い白熱した好ゲームを制し、今季初勝利。千葉も明確なサイド攻撃をみせる。(12.03.12)

直前からの雨、さらに、強い風で非常に冷えた西京極。その中で最後まで声援を送って下さった京都、そして、千葉のサポーター。その気持ちに感謝いたします。
互いに意地がぶつかり合った試合はとても白熱した好ゲームとなった。勝った京都としては、選手の集中、勝利への強い意志が伝わってくる試合に、一方の千葉も敗れはしたが、サイドから攻める意図が明確で好印象を与えた。

京都のメンバーは、右下腿三頭筋肉離れで欠場のバヤリッツァの所に染谷悠太を起用。直前の雨で非常にスリッピーになった西京極のピッチ。その影響もあり、ゲームのテンポは上がった。立ち上がりに流れを掴んだのは千葉。前線の藤田祥史にボールを入れると、サイドへ展開し、京都ゴール前へボールを送った。12分には右サイドからのクロスを頭で合わせ、そのこぼれをカバーに入った京都DFごと押し込み、ファールとなるも迫力ある攻撃をみせる。
だが、京都も徐々にゲームを落ち着かせリズムを掴む。31分には久保裕也のシュートがバーを叩き、40分には相手DFの不用意なパスをカットした宮吉拓実がそのままシュートに持ち込むなど、攻守に冴えを見せ始めた。

後半に入ると京都が流れを掴む。ハーフタイムに守備の点で提案をしたという大木武監督。さらに福村貴幸も「前半、相手のサイドハーフが掴めなかったが後半修正したら上手くいって、それが攻撃する時間を増やせた原因かなと思います」と、京都がテンポを上げていった。そして後半15分、京都がスコアを動かす。
中盤で、チョンウヨンがすぐ隣の工藤浩平につなぐと、そこから裏へ抜け出した中村充孝。中村がこれを収めるとGKをかわしてゴールへ流し込む。京都が待望の先制点を挙げる。

後半20分にもその中村から裏へ抜けた久保に渡りシュートを放つもまたもやバーを叩き、同23分には左サイドで押込み、シュートへ持ち込むなど京都が決定機を作る。その後、京都は倉貫一毅、原一樹と選手を送り込む(OUT:中村充孝、久保裕也)。

千葉も反撃。サイド攻撃からチャンスを作るも京都の守備もあって決め切れず、逆に京都が止めの一発を決める。
後半45分、原が一人で持ち込むことで得たCKを、宮吉が頭で中に落とし、そこに待ち受けていた原が豪快に叩きこむ。原の嬉しい移籍後初ゴールで2−0とする。結局このスコアのままタイムアップ。京都が今季初勝利を挙げた。

試合後、千葉・木山隆之監督は「少し早く狙い過ぎてボールロストが多くなった」ことと、「出足が鈍ってプレッシャーがかからなくなった」ことを流れを明け渡したポイントとした。逆に京都・大木監督は「自分たちでボールを収めて攻撃する様な状況になった」と流れを掴んだ要因を挙げる。

今節、最も感心させられたのは、千葉のサイド攻撃に対しての京都の守備。センターの秋本倫孝、染谷悠太を中心に非常に落ち着いて対応していた様に観えた。マークがずれる瞬間もあった。例えば32分の右(千葉側の左サイド)からのクロスに中央のマークが外れたが中山博貴が戻ってヘディングクリアした。こうした中盤の守備貢献も含めて、中央の落ち着いた対応は前節も含めだが、頼もしいものだった。

もう一つ、前半、久保がシュートを放ったシーンで、久保を追い越した中村、そして、パスを引き出せる位置にいた工藤、ゴール前でボールを受ける準備をしていた宮吉と、久保の選択肢を増やす動きをしっかりと行っていた選手たちも評価すべきだろう。
久保は、パスもシュートもドリブルもできるという状況の中でシュートを選択。そのシュートも凄いものだった。こうしたシュートも久保は凄まじいものを持っている。だが、チームは、そんな久保に対し「選択肢は色々あるから選べ」という状況を作っていたということ。こうした動きが減ると攻撃は一気に単調になる。逆にサボらずに動けば選手のやりたいプレーが出せる様になる。
当たり前の動きを当たり前にやったという点が素晴らしい様に思えた。「自分たちがやれることをしっかりやる」という大木監督の言葉に、多くの意味が詰まっているのでは、と考えさせられる。

以上

2012.03.12 Reported by 武田賢宗
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