5月4日(水)J2 第10節 札幌 vs 草津(14:00KICK OFF/札幌ド)
スカパー!生中継 Ch184 後01:50〜
☆totoリーグ
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5月最初の試合となる第10節。まだまだ肌寒い日が続く北海道札幌市の札幌ドームでは、勝点1で18位の札幌が、同6で6位につける草津をホームに迎えて戦う。
札幌はここまで1分2敗と勝ち星を得られていない。しかし、前々節では湘南と「どっちに転ぶかわからない試合(反町康治監督)」をし、前節は強力な顔ぶれを揃えるF東京と敵地でスコアレスドロー。J1昇格候補と目される2チームを相手に拮抗した試合を演じている。「トレーニングをしてきたことが形になっているし、F東京を相手にも十分に勝つチャンスがあったので、収穫は得ている」と宮澤裕樹が話し、石崎信弘監督も「試合をやるごとに中身はよくなってきている」と手応えを口にする。成績的には低調なスタートということにはなるが、「プラスに捉えれば、F東京戦で連敗を止めたということ」と高木純平が話しているなど、チームはポジティブに日程を進めている様子だ。
ただし、3試合を終えて無得点という部分は「大きな課題」(高木純)。アンドレジーニョ、古田寛幸というテクニックのあるアタッカーが並び、三上陽輔、近藤祐介が思い切りの良いプレーでアクセントをつける。そこに中盤の底から宮澤がタイミングよく加わることでチャンス自体はいくつも作れているのだが、肝心のフィニッシュのところが物足りない印象だ。うまく崩せている場面もあるだけに、歯がゆいところである。
この部分について石崎監督は「ゴール前で冷静さを保たなければいけない」と指摘するが、言うまでもなく相手ゴール前でのプレーというのはそう簡単に課題が解決できるものではない。ましてや中3日の試合となると、言わずもがなである。そうしたなかで、チームは前節からどういった変化をつけてくるのか、注目したい。得点を取らなければ勝点3を得ることは不可能である。
一方、敵地に乗り込む草津は前節、ホームで熊本に1−0のスコアで勝利。「1対1の場面で負けないことを要求していて、選手がそれを実行してくれた」(副島博志監督)という、粘り強い戦いぶりで2連勝を達成している。
今季の草津を見ていくと、やはり中盤のコンビネーションに注目したくなる。櫻田和樹、熊林親吾、松下裕樹といったパス能力のあるMFがここ数年、ともにプレーを続けて連係を深めており、前述の熊本戦でもカウンターなどの場面で彼らがワンタッチでスピーディーにパスをつなぐ場面が何度もあった。
そして今季はそこに萬代宏樹という、クサビとしての役目を得意とするFWが加わっているため、攻撃面はさらなるレベルアップを感じさせている。この萬代はロングボールのターゲットになることもできるため、チーム戦術の幅を広げている印象だ。ドリブル力のあるアレックス、ランニングスピードを持つラフィーニャの存在も大きい。
さて、そんなチーム同士の対戦の焦点は、やはり中盤の攻防だろう。札幌のスタイルはグループでプレスを仕掛け、奪ったボールを素早く運んでフィニッシュまで持ち込む、攻守の切り替えを強く意識したもの。それに対峙する草津のMF陣が、持ち前の連係で札幌のプレスをかわすことができれば試合を優位に進められるだろうし、逆にここでターンオーバーを繰り返すようだと、完全に押し込まれてしまう。地元の声援を受けて札幌はアグレッシブに前へと出てくることが予想されるため、札幌のプレスと草津のコンビネーションとのバトルはこの試合の最大の焦点となりそうだ。
以上
2011.05.03 Reported by 斉藤宏則