今年もJ's GOALでは、全クラブのキャンプ取材を実施します。
レポートに加えて、動画でトレーニングの様子や、選手の生の声をお届けする予定です。監督はもちろん、気になるあの新加入選手のインタビューなど、2月下旬までの間、取材をしていきますので、お楽しみに!
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☆J's GOALでは2011年も全クラブのキャンプ取材を実施します!
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17日に柱谷哲二新監督のもと、新たなスタートを切った新生水戸。ルーキー9人が加わったヤングチームが高みを目指して走り出した。
水戸は例年通り今年もキャンプは行わない。敵地に練習試合に出向く予定はあるが、それ以外は水戸にとどまって調整を続けるという。キャンプの主な目的は「体作り」と集団生活をすることによる「コミュニケーションの向上」だろう。体作りについては、暖かい場所に行けるに越したことはないが、水戸でも十分できる。そしてコミュニケーションについても、水戸のほとんどの選手が寮生活を送っており、「毎日が合宿状態」(鈴木将也)ということで、自然と選手間の距離を縮められる環境にある。わざわざキャンプを張る必要はないのである。
始動から7日経った23日、水戸ユースとの練習試合が行われた。前日には水戸商業との練習試合を行っており、2日続けてのゲームとなった。毎日フィジカルを追い込むトレーニングを行っているため、選手たちの体は見るからに重そうであったが、そんな中でも柱谷監督が求める「切り替えを早くすること」と「ボールを大事にすること」を意識しながら選手たちはプレーしていた。
システムは4−3−3。
1本目のメンバーは、遠藤敬佑を1トップにサイドFWに神村奨と常盤聡が入り、2列目には大塚翔太と西岡謙太が並び、アンカーに村田翔、DFラインは右から岡田佑樹、加藤広樹、塩谷司、保崎淳。GKは笠原昂史という布陣。
そして2本目の途中からは1トップに小池純輝、サイドFWに金久保彩、島田祐輝、2列目にロメロ・フランクと小幡純平が並び、アンカーに鈴木将也、そしてDFラインは鶴野太貴と練習生3人。GKは引き続き笠原となった。
ちなみに岡本達也とイ・カン、小野博信、吉原宏太はけがで離脱。本間幸司は調整中ということで欠場した。
試合内容はコンディションが悪いながらも高校生を圧倒。華麗なるゴールラッシュを見せ、40分×3本で、12対0の大勝を収めた。前日の水戸商業戦も11得点奪っており、2日間で23得点の大爆発。柱谷監督が目指す攻撃サッカーの一端を垣間見ることができた。ただ、まだ始動したばかりで、「今は戦術面よりフィジカル面を見ている」と柱谷監督が言うように戦術に手をつけるのはこれから。試合内容について語るのは時期尚早なだけに、戦術等に関しては今後あらためてレポートしたいと思う。
それよりもこの日はビッグなニュースがあった。今季のキャプテンに大卒2年目の西岡謙太が抜擢されたのだ。「昨日、監督から言われてびっくりした」と語る西岡。練習試合の前に行われた必勝祈願では選手を代表して祈願したのだが、その際、二礼二拍手一礼のところ緊張のあまり一礼二拍手一礼になってしまったという。「みんなに冷やかされました」と苦笑いを見せた。
西岡をキャプテンに選んだ理由を柱谷監督は「直感を信じました。みんなとまんべんなく話ができていたから」と語った。小学校以来のキャプテン就任ということで西岡は「まだどうやってみんなを引っ張っていいのか分からない」と戸惑いを見せるが、指揮官は「まだ頼りないところがあるけれど、そこを乗り越えて一回りも二回りも大きくなってほしい」と今後の成長に期待を寄せている。
若きチームを引っ張る若きキャプテン。今はまだ足取りはおぼつかないが、幾多の苦難を乗り越えながら、リーダーとしての貫録をつけていくことだろう。「監督からいろいろアドバイスを受けながらやっていきたい」と西岡は凛とした表情を見せた。果たして西岡はどんなキャプテンになるのか。今季の水戸を見る楽しみがまた一つ増えた。
以上
2011.01.24 Reported by 佐藤拓也