10月10日（日） 2010 ヤマザキナビスコカップ
川崎Ｆ 1 - 3 磐田　（15:00／等々力／13,417人）
得点者：35' 大井健太郎（磐田）、38' ジュニーニョ（川崎Ｆ）、78' 山崎亮平（磐田）、88' 成岡翔（磐田）
☆ヤマザキナビスコカップ特集ページ
☆決勝で生まれた全ゴールを動画で一挙公開！
☆歴代ニューヒーロー賞受賞選手を動画で紹介
----------

●柳下正明監督（磐田）：

「とにかく1−0で勝てば延長があって、その先、また1点入れて勝てば決勝に行けると。とにかく勝ったら行けるんだという気持ちでやろうやということで選手たちを送り出しました。
前半の立ち上がりからやっぱり、相手のゴールに向かってアグレッシブにいつもどおりのゲームをやってくれたんじゃないかなと思います。フロンターレはすこし元気がないような感じがしたんで、これはチャンスを作ればなんとかなるかなという感じで見ていました。いい形で1つ入ったので、これで落ち着くかなと思ったんですが、ただフロンターレの2トップ、あるいはヴィトール（・ジュニオール）が非常に良い状態をキープしているので、彼らの背後への動きは注意しないといけないよということは伝えていました。
前半を終わって1−1だったんですが、ハーフタイムには『スタートの0−0よりも条件はいいよ』と選手を送り出した。本当に臆することなく、自分たちのものを100％出してくれた。そして久しぶりにゲームに出てプレーする選手も十分に力を発揮してくれた。とにかく勝ちたいんだという強い気持ちをグランド上で表現してくれて、こういう結果になったんじゃないかなと思います。
決勝も思いっきり自分たちのプレーをすれば、いい結果が出るんじゃないかなと思います」

Q：後半20分過ぎに2人の選手を同時に代えた意図は？　その直前に那須選手がベンチに向かって叫んでいましたが何か関係があったんでしょうか？
「それは関係ないです。その前にヴィトールに、那須とセンターバックの背後に侵入されて危ない場面を作られていたので、もう少し下がれということを伝えたら、下がれないということを言ってきたんです。練習中もよくあることなんで、それは別に気にしてないんですが。
2人交代したのは疲れが見えて、特に西なんかはミスが出てきたので思い切ってフレッシュな個で仕掛けられる選手を2人投入しました」

Q：続きのような質問なんですが、那須選手のポジションが後半かなりセンターバックの前をカバーしているように見えた。前半と少し変わったのかどうか。その後で下がれという指示を出したとのことですが、その経緯について。
「いつもですと那須と上田康太、あるいはもう少し攻撃的な選手でボランチを組んでいるので、必然的に那須が後ろということができる。今日は岡田隆もどちらかというとディフェンシブな選手なので、2人が並んだ事で2人が同時に前への攻撃も守備も行ってしまって、センターバックの前にスペースができるということが前半に見られた。そこは、後半に入る前に少し伝えました」

Q：その後、後ろに下がるんですか？
「やられた局面だけですが、そのあたりはペナルティエリアのすぐ前、一番危険なゾーンなので、あそこはもう少し締めてくれということを伝えました」

Q：山崎選手についての評価は？
「しばらく前からいい状態をずっとキープしてくれたんですが、なかなかゲームに絡むチャンスがなくて、我々としてもチャンスを与えたいということはいつも思っていました。今日、森のところに仕掛けて行ったら何かが起きるんじゃないかなということは、しばらく前から考えていた。森と菊地の間はスペースが出来るんですね。そこに侵入して行けばチャンスは出来るんだということは前半から言っていたんですが、山崎はもともとトップの選手なので必然的にゴールに向かう動きをするから、ああいうプレーが出たんだと思います。山崎本人はゴール前での落ち着き、シュートをしっかり自分の狙ったところに打てる選手なので、ゴール前で1点入れたシュートというのは、まあトレーニングでも見せている得点でした。
今まで出られなかった悔しさを、20分くらいですか、そこで出してくれたんじゃないかと思います」

Q：第1戦を0−1で負けたことで今日の試合がわかりやすくなったというか、勝たなければならないというのが、ゲームプランとして影響あったんでしょうか？
「勝たなければならないということよりも、勝てば次に行けるという気持ちで選手を送り出した。選手たちもそれはわかっていて、そんなにプレッシャーもないし、じゃあどうやって戦うのかと考える必要もなかったんじゃないかと。だからミーティングではいつも通りやろうや、ということを言って送り出しました」

Q：代表で前田選手、駒野選手がいない中、攻め方はどんな指示をされていたんでしょうか？
「シーズン当初から、昨シーズンからですけれども、チームとしてやろうとしていることは変えずにずっと来ています。それは選手が代わっても同じだと。ただ、個の能力というかプレースタイルが変わることによって、少しコンビネーション等が変わることがあるだろうと。例えばクロスを単純に上げても前田がいない分、無理。それなら、そこで工夫しようよということです。速いボールを入れたりグラウンダーのボールを入れたりということです。そのあたりも選手たちは考えてやってくれたんじゃないかと思います」

Q：代表が抜けて、けが人・出場停止もいる中で、代わりに出た選手が結果を出した。シーズンここまでやってきて、チームの成長というものについてはいかがでしょうか？
「昨シーズンからやっていることを継続してきまして、それが選手たちにも十分に身についているんじゃないかと思います。特に悪い状況での守備。カウンターであったり、こちらの中盤でのミスから攻められる。そういったときに慌てて取りに行ってバランスを崩してスペースを作ってやられるということが今シーズン、非常に少なくなっている。
それと押し込まれた状態でも、我慢強くチームとしてスライドしながらプレーができるようになったというところは非常に成長しているかなと。
ここしばらく非常に選手ひとりひとりの状態がよくて、18人選ぶのもリーグ戦では非常に迷っている状態だったんですね。逆に代表でいなくなったり出場停止でいなくなった分、迷わずに使えるという状況は、今日は良かったんじゃないかと思うほどです。好調を維持していた選手たちが、そのまま今日プレーができた。だから今まで出られなかった選手たちも自信を持っていいんじゃないかと思います」

以上