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【第90回天皇杯3回戦 山形 vs 湘南】プレビュー:2週間ぶりの対戦はリーグ戦の決着戦の様相。唯一のJ1対決を勝ち上がるのは、直近の試合で結果を出した山形か? この試合をはずみにしたい湘南か?(10.10.08)

10月9日(土)第90回天皇杯3回戦 山形 vs 湘南(13:00KICK OFF/NDスタ)
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このカードは今季4度目。NDスタでの開催はうち3度目となる。ヤマザキナビスコカップでは山形が3-0と快勝しているが、リーグ戦では開幕戦と2週間前に行われたばかりの第24節ともに1-1のドロー。大会は違うが、リーグ戦でつかなかった決着を、一発勝負のトーナメントでつけるという意味合いも含む一戦だ。逃げ切れなかった湘南、攻めながら決めきれなかった山形ともに、前回対戦でつかみそこねたものを今度こそつかみにいく試合でもある。

今回の対戦を迎えるにあたり、リーグ戦の前節は対照的な結果で終えている。山形はG大阪をホームに迎えて先制されたものの、下村東美、宮崎光平のゴールが決まりわすが8分で逆転。J1昇格後、初めてG大阪を破ったことと併せて、6試合ぶりの勝利で残留確定に向け大きく前進した。その勝利の糸口は、直前の湘南戦でつかんだものと言っていい。山形は湘南を相手に数多くのクロスを上げたものの、なかなか得点に結びつけることができなかった。その修正点をクロスへの入り方に集約し、まずニアに飛び込むアクションを起こすことを徹底。G大阪戦で先制された直後の同点弾も、石川竜也のクロスに対し、ニアに長谷川悠、中央に宮沢克行が入り、ファーへ抜けたボールを下村が待ち構えて仕留めたものだった。閉塞感から抜け出し、一歩前に進んだ成果をもって、もう一度湘南にぶつかることができるか。リーグ戦では上位との戦いがまだ続くことになるが、それと同じように100%の集中で試合に入ることがまずは前提になる。

これに対して湘南はともに降格圏内のF東京と対戦。セットプレーから先制を許し、前半で2-0、後半も含めて3-0。F東京に11試合ぶりの白星を与えるとともに、自身は7試合ぶりの無得点で勝ちのない試合はこれで連続12に伸びた。J1残留へさらに厳しい状況に追い込まれている。しかし、そのゲームを振り返る反町康治監督は「今日は悪いところを探すのが難しいぐらいのゲームだったと思います。それぐらい我々は、最下位にもかかわらず、勇敢に戦ったと思っています」とゲーム内容を前向きに評価する。また、「試合終了後に多くの監督が言う言葉ですが、あれが入っていればという試合でしたね」と話した立ち上がり、寺川能人の突破、クロスからニアで坂本紘司がシュートを放った場面は、山形・小林伸二監督も「あれが入っていたらどうなっていたかわからなかった」と認めるほどのビッグチャンスだった。直接リーグ戦の勝点にはつながらない大会ではあるが、ここでの勝利は確実にリーグ戦へのはずみとなる。それだけに、現在持っているものすべてを懸ける価値は間違いなくある。

それぞれのチーム事情や監督なりの考えもあるため、メンバー構成やシステム、戦術などは不透明な部分はあるが、湘南はここへ来て、坂本の裏への飛び出しがさらに鋭さと大胆さを増している。ディフェンスラインからのロングフィードでは相手に対応されチャンスは薄いが、センターフォワードでワンクッションあり、高い位置からのスルーパスやフィードであれば1試合で何度かチャンスはつくれている。守る山形としてはフリーで走らせないようにマーカーが並走するか受け渡しを確実に行う必要がある。

湘南が前回と同じようにサイドの選手が中に絞りゴール前を固めてくるのであれば、山形にとってサイドは起点をつくり、クロスを上げるフリーゾーンにつくり変えることができる。そこからクロスを上げる回数が多くなりそうだが、G大阪戦と同じようにニアへの飛び込みがなければ、人数が多いブロックを破ることは難しくなる。また、前回はシュートシーンで湘南決死のブロックを受けるなどこじ開けるのも簡単ではない。ミドルシュートを使ったり、くさびでアングルを変えてセットするなど、フリーでシュートを打てる場面を状況に応じてつくる必要がある。逆に湘南は90分間、場合によっては延長戦もとおして山形のシュートに厳しく寄せ続けることができるかが、勝敗の行方を大きく左右する。

4回戦は11月17日(水)。終盤のリーグ戦の間に行われることになり、勝てば2週間で5連戦。終盤の日程がさらにタイトになる。それでもピッチで戦う以上は勝利をめざし、道が開かれている以上は頂点を夢見る権利もある。歴代の優勝チームが国立競技場全スタンドと日本中の注目を浴びるなかで高々と掲げてきたその天皇杯賜杯が、当日、会場のNDスタにお目見えする。「天皇杯カップツアー」。ぜひ手に取って……というわけにはいかないが、日本の全クラブ、チームの数々の栄光とその裏にある屈辱や苦悩すべてを見てきたこのカップの威光を間近で感じ、成長へのモチベーションにしたい。

以上

2010.10.08 Reported by 佐藤円
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