10月3日(土)J1 第28節 神戸 vs 京都(16:00KICK OFF/ホムスタ)
スカパー!生中継 Ch180 15:50〜(解説:山野孝義、実況:寺西裕一、プレーヤー解説:和多田充寿、リポーター:林智美)
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☆2009関西ダービー特集
水曜日、東城陽グラウンドでは熱の入った練習が繰り広げられた。ゲーム形式ながらアタッキングサードに入るとFWとセンターバック二人との勝負に持ち込まれる。コンビネーションで崩すのか、個の力で崩すのか、柳沢敦が仕掛ければ増嶋竜也が執拗について行く。加藤久監督も「選手は気持を入れて取り組んでいた。自分も参加したくなるほど」と評するほど。
連敗、この状況を変えるために何ができるのか、この練習からでも十分伝わる。だが、結果が全て。関西ダービー、その全てを出し切る。
佐藤勇人の戦線離脱にディエゴの出場停止。神戸も金南一が今節出場停止となるが、ダメージは京都の方が大きいだろう。「前の選手(FW)をディエゴの位置で使うこともできる。全体のバランスを保つ中でやれる様に対応していく」と指揮官も策をめぐらしていた。
関西ダービー、今節はそこに集約される。まず、昨年の借りは返す。そして、大久保嘉人。神戸のエースにして、今、日本で最高ランクに入るアタッカー。彼を抑え込む。
1−4の敗戦を喫した昨年の第28節。得点動画も公開されているが、大久保の躍動に悔しさを新たにする。
まず、先取点を奪われる。3失点目のレアンドロへのアシスト。そして4失点目、裏に走られ決められる。彼一人に2得点、1アシストを決められる。それが今節、あの時と同じホムスタに立つ。昨年、今年と、出場停止や移籍中ということで大久保は西京極のフィールドに立つことはなかった。西京極に現れないなら敵地に乗り込んで抑え込むまで。昨年の借りは返す、神戸のエースを抑え込んで。
失点シーンにいたシジクレイ。彼はあの1失点目だけは今でも「覚えている」という。「彼はスピードがある、スペースを与えないことが大事」。水本裕貴も大久保について「得点能力も高く、味方を上手く使うこともできる。非常に危険な選手」と警戒を高める。
だが、連続して3失点を喫している今の京都にそれができるのか? その懐疑にシジクレイは「集中力が欠けてきている。集中力が欠けるとそれが失点の原因になる。集中力を高めること。守備の時だけでなく、ピッチに立つ時、ウォーミングアップの時から取り組まないといけない。他に(失点する)理由はない。強い集中をしていれば必ず勝てる」と、眼差し強く答えた。
集中力、水本は前節の失点も「2失点目、3失点目は集中力が切れていたと思う」と話した。加藤監督はここまでの敗戦に「個人のモチベーションが大きかったと思う。次はチーム全体の硬さが取れるはず」と語った。まず守備から、京都は苦しい時、これで乗り越えてきた。だが今節、そこには身体能力の高い神戸FWの茂木弘人とそして、エース・大久保嘉人が立ちはだかるのだ。
水本は大久保に対し「パスの出しどころを抑える。金南一が出場停止でパスの出しどころも限られてくると思う。そして数的優位をしっかりと作りたい」と話す。それに呼応するかのようにシジクレイも「私の仕事は真ん中を狭くすること。二人のFWにボールを入れさせないようにすること、彼らにボールが行かなければ京都は勝てるはずだ」と応える。今節の勝負、ここに賭けたい。
大久保を抑えなければならない理由、それは「彼を抑えれば京都の勝利する確率が上がるから」より、「プライド」の問題である。意味がないのだ、京都の勝利も彼を抑え込まなければ。「プライド」そして「意地」、の問題である。
シジクレイは「皆と一緒にサッカーを出来ることに喜びを、京都で、このグループでプレーできることに幸せを感じている。そして、水本や李正秀、もちろん彼らだけではないが、彼ら高い能力を持つディフェンダーがいることを安心にも思っている」と話し、さらにこう付け加えた。「やりがいを感じる。怖がることはない、いい試合になる。守備で、自分も含めいいプレーが出来れば必ず勝てる」
水本も「アウェイだけど必ず勝ちたい」と力強く語った。チームの思いは一つである。
連敗阻止、堅守復活、昨年の借り、負けられない関西ダービー。戦う理由、勝たなければならない理由を詰め込んで、ホムスタで神戸と大一番だ。
「アウェイで勝てない」。事あるごとに言われ続けてきた周囲の批判を結果で、勝利で黙らせろ!
試合後、ホムスタのスタンドに、勝利の喜びに鳳凰の旗が翻るように。京都の勝利を期待したい。
以上
2009.10.02 Reported by 武田賢宗