9月27日(日) 2009 J1リーグ戦 第27節
浦和 1 - 2 横浜FM (14:05/埼玉/45,023人)
得点者:3' 中澤佑二(横浜FM)、15' エジミウソン(浦和)、44' 渡邉千真(横浜FM)
スカパー!再放送 Ch183 9/29(火)21:00〜(解説:相馬直樹、実況:佐藤文康、リポーター:石川葉子)
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前半を終えてスコアは1対2。追いかける展開にも、サイドへ、サイドへと押し出され、選手たちには見るからに焦りの色が滲んでいく。「後半に入っても、チームはなかなか試合に入ることができなかったし、最終的にはこの結果を認めなければならない」(フォルカーフィンケ監督/浦和)。終盤戦最後の逆襲をかけて3連勝を目指した浦和は、したたかなる相手に気勢をそがれ、痛恨の敗戦を受け入れる結果となった。
試合に入って間もなく、浦和の選手たちのプレーにはどこかぎこちなさが浮かんだ。連勝へのプレッシャーなのか、何かがおかしい。そんな矢先、CKから中澤佑二にゴールを割られてあっさりと失点。この2戦でつかんだリズムが、手からこぼれ落ちていく。ミスパスが頻発し、攻撃を司るポンテは勝利への意気込みが空回りして副審の判定に苛立ちをあらわにする。だが、これまで積み上げてきたものは、そう簡単にすべては消えない。迎えた15分、中盤で鈴木啓太、原口元気、ポンテとダイレクトに高速でパスをつなぐと、最後はサイドを駆け上がった山田暢久のクロスにエジミウソンが豪快にヘッドを叩く。リズミカルな攻撃で、ホームチームは早々に同点に追い付いてみせた。
浦和はそこからセカンドボールの拾い合いで優位に立つと、分厚い攻撃を開始する。久々のゴールで勢いに乗ったエジミウソンは、原口のパスからポスト直撃のシュートを放ってみせた。しかし、一方では狩野健太にフリーで抜け出されてシュートを打たれるなど、タイトな守備からの鋭いカウンターを見せる相手を前に依然として試合のペースをつかみ切れない。そんな流れのなかで生まれた横浜FMの追加点。長谷川アーリアジャスールがエリア内で鈴木からボールを強奪すると、ゴール前で待つ渡邉千真はプレゼントクロスに合わせるだけだった。
その後の浦和は、2失点目の際にファウルを取らなかった審判の判定に集中を向けてしまい、冒頭の指揮官のコメントにつながる結果を強いられることとなった。後半に入って一気呵成に攻めに出ることが求められたものの、逆に序盤から横浜FMに押し込まれてしまい、原口の絶妙なパスから鈴木が抜け出たシーンも決め切れず。後半途中からピッチに立ったケガ明けの山田直輝、田中達也の投入も実ることはなく、消化不良のままゲームを終えた。
試合後、いつもより言葉少なに会見を締めくくったフィンケ監督に対し、横浜FMの木村浩吉監督が饒舌に試合を振り返る。「後半は狙いどおりだった。レッズも最後蹴り込んで来る形になったし、うちのDFラインも最後は上がっていなかったので、そんなに怖い場面はなかった」。狙いどおりに浦和を抑え込んでみせた選手たちの出来に満足感を示すとともに、そこにはしてやったりの表情が浮かんでいた。
試合後、選手たち以上に困惑したところを見せたのは浦和のゴール裏だった。ブーイングと拍手が入り交じった、戸惑いの反応がスタジアムを包み込む。「もう勝利しか重要なものはない」(エジミウソン)。「次は負けられない。絶対に勝ちたい」(山田直輝)。そう語る選手たちの言葉を、信じ抜くことができるのか。浦和を取り巻くすべての人々に、今、大きな試練が課されている。
以上