9月27日（日） 2009 J2リーグ戦 第42節
Ｃ大阪 1 - 0 栃木　（13:04／長居／7,742人）
得点者：10' 石神直哉（Ｃ大阪）
スカパー！再放送 Ch183 9/28（月）15:30〜（解説：長谷川治久、実況：小澤昭博、リポーター：森田純史）
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戦前の予想通り、青空が広がる好天、気温29.6℃、太陽が照りつける日中の13時4分キックオフという、秋口にしてはハードコンディションのなかで開催されたＣ大阪vs栃木の一戦。Ｃ大阪ではJ2得点ランキングトップを走るMF香川真司が、栃木ではチームトップスコアラーのMF河原和寿がそれぞれ負傷欠場を強いられ、彼らの不在の影響がどこまで出るかに注目が集まった。

試合は序盤から動く。10分、Ｃ大阪の最初のCKで、MF酒本憲幸が栃木の隙を突き、素早くスタート。このボールをペナルティーエリア外で受けたMF乾貴士がゴール前にクロスを放り込むと、ファーサイドで待っていたDF前田和哉がヘッド。このシュートはゴールラインギリギリで栃木DF岡田佑樹にクリアされるも、こぼれ球を再びペナルティーエリア外で拾ったのはＣ大阪DF石神直哉。ワントラップして冷静に栃木ゴールを見極めると、石神は迷わず左足を振り抜く。すると、ボールは無回転で鋭く落ち、きれいに栃木のゴールネットを揺らした。Ｃ大阪としては第38節甲府戦以来、4試合ぶりとなる前半での先制弾で、早々にリードを奪った。

しかし、その後はＣ大阪の前田も「ちょっとまったりした試合」と言うように、Ｃ大阪も、栃木も、連戦や暑さの影響もあって、チグハグな展開が続く。チャンスはどちらにもあった。Ｃ大阪では、17分に石神の左FKから、オフサイドラインをかいくぐり、3試合ぶりに先発したFW小松塁がヘディングシュート。37分にも小松は酒本の右アーリークロスをニアで合わせるが、いずれもゴールならず。栃木も、その直後の38分に今季初先発したMF星大輔が右ミドル、その1分後にFWレオナルドの右クロスを再び星が右足でシュートも、こちらも枠に収まらない。

1-0Ｃ大阪リードで折り返した後半に入ると、いきなりビッグチャンスが栃木に舞い込む。キックオフ直後、Ｃ大阪が自陣で回すところを栃木2トップが激しくプレス。そこでMF船山祐二のバックパスミスを誘うと、このボールにFW崔根植が鋭く反応し、飛び出したGKキム ジンヒョンをかわして絶妙のヒールパスで折り返す。これをフリーでレオナルドが無人のゴールにシュートかと思われたが、なんとボールは枠の外へ。栃木は同点にする絶好機を逃してしまう。

ここから後半も、前半同様、一進一退の攻防。何とか同点に追いつきたい栃木も、左DF入江利和のクロスでチャンスを作ったり、石舘靖樹、若林学、栗原圭介と、終盤にかけて攻撃的な選手を次々と投入して反撃に出るが、Ｃ大阪DF藤本康太、羽田憲司らの体を張ったディフェンスを崩しきることができない。

一方、こちらもダメ押し点が遠かったＣ大阪だが、試合終了間際にはケガで約1カ月間戦列を離れていたMFマルチネスをピッチに送る余裕も見せ、栃木を完封。結局このまま1-0で逃げ切ったＣ大阪は、今季3度目の4連勝を達成し、9月は5勝1分けと負けなしで乗り切った。

それでも、栃木の10本を下回る8本のシュートしか打てなかったＣ大阪。持ち味の攻撃に迫力を欠いたこともあり、レヴィークルピ監督は「今日勝利という結果が出たのはうれしいが、逆にゲーム内容には物足りなさが残った」と、白星でも渋い顔。「今日みたいな試合をやっていると厳しい」（乾）、「内容はあまりなくて、（よかったのは）勝点3を取れたことだけ」（羽田）など、選手からも反省のコメントが多かった。ただ、この時期は結果第一。Ｃ大阪としては香川不在でも、最低限にして、最高の、勝点3を得ることができたことを収穫として、J1復帰、J2優勝に向けて、残り9試合に臨みたい。

栃木としては、連勝はならなかったが、「自分たちのサッカーは出せたと思うし、相手のよさは消せた」と松田浩監督は試合を評価。首位相手に互角の戦いを見せることができ、「内容を吟味していけば、相手のプレッシャーをかいくぐるポゼッションにしても、Ｃ大阪の攻撃を守るというところに関しても、ちゃんとできていた」と、今後に自信をつかんだようだった。第3クールに来てチームとして成熟しつつある栃木の、10月以降の戦いぶりにも注目していきたいものだ。

以上

2009.09.28 Reported by 前田敏勝