9月23日(水)J2 第41節 岡山 vs 札幌(19:00KICK OFF/岡山)
スカパー!生中継 Ch183 18:50〜(解説:佐藤慶明、実況:川崎祐一、リポーター:守口香織)
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過去の30数試合で、岡山・FW西野晃平が前線からプレスを掛ける光景に馴染んでいたファンは、「これが岡山の象徴的な形のひとつ」だと思ってきた。その西野が今季目標だった2ケタ得点を目前に負傷離脱した熊本戦(第35節)からちょうど1カ月。そして、絶妙のフィードと駆け上がりで自らも3ゴールを挙げ、「サイドバックもボランチに負けないくらい、ゲームメイク出来るポジション。サイドバックに能力があれば、いいチームになると思っている」と話していた左サイドバック澤口雅彦が福岡戦(第37節)後に負傷離脱して2週間余り。
今、彼らの復帰を辛抱強く待ちながら、岡山のファンは、自分たちが応援するチームの新しい形にも興奮している。それは、前節・愛媛戦で川原周剛からの絶妙のパスを受け、今季2点目を挙げた左サイドハーフ妹尾隆佑のゴールへのアプローチであり、右サイドハーフ青木孝太のタメを作る動きであり、同様に彼の前線での果敢な守備であり、左サイドバック野田紘史からのクロスであり、復活したセンターバック木村允彦の安定感のある守備であり、GK李彰剛の好セーブである。攻守における美しいシーンは何度も目にすることで脳裏に刻まれていくが、そのパターンが数えきれぬほど増えたのが、現在の岡山である。
札幌はここ10試合で、6勝2分2敗の成績だ。2分は水戸戦(第37節)と鳥栖戦(第35節)、2敗は甲府戦(第39節)とC大阪戦(第31節)。首位C大阪との勝点差は現在20点と開いてしまったが、前節、室蘭での福岡戦に勝利し、順位を7位に上げている。「このままでは終われない」というモチベーションの高さは、必然だろう。
前回の岡山との対戦(第30節)の際、札幌は4-4-2のシステムをとっていたが、その後、キリノを1トップに、ダニルソンを1ボランチに据える4-1-4-1にシステムを変更。これが功を奏し、それまでの不調から抜け出した。形としては、広範囲をカバーするアンカー・ダニルソンがボールを拾い、右へ左へとボールを配球。スピーディなパス回しをベースにサイドから攻撃を仕掛け、ディープストライカー・キリノが相手守備陣のギャップに入り込み、現役高校生の右サイドハーフ古田寛幸、左のサイドアタッカー・藤田征也ら2列目の飛び出しを引き出す。
前節の福岡戦では、ダニルソンが早々に負傷退場し、代わりにアンカーを務めた芳賀博信が、「インターセプトしたボールをシンプルに前に運んでいったのも良かった」と札幌・石崎信弘監督から合格点をもらっている。札幌は第38節の愛媛戦で、サイドバックの選手を押し上げ、より攻撃的なポゼッションを試しながら、守備に隙が生まれるとわかると途中で3-5-2に変えて逆転勝利を挙げるなど、ベンチワークも素早くアグレッシブである。
「マイボールにした後、どうつないでいくかが課題」と言うのは、岡山のボランチ・竹田忠嗣。岡山は前々節のC大阪戦では発揮できなかったが、守りを固めながらチャンスを確実に作り出していけるかどうか。個人の能力では差があるとしても、今の岡山はチャンスさえ作れば、決める力が前線にある。そうなれば、拮抗した、かなり見応えのあるゲームが期待できる。
以上
2009.09.22 Reported by 尾原千明