9月13日(日) 2009 J1リーグ戦 第25節
大分 2 - 1 磐田 (18:05/九石ド/17,241人)
得点者:11' 東慶悟(大分)、36' イグノ(磐田)、57' 高橋大輔(大分)
スカパー!再放送 Ch181 9/15(火)05:00〜(解説:岡中勇人、実況:小笠原正典、プレーヤー解説:吉村寿洋、リポーター:成尾佳代)
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4連敗中の最下位・大分にとって喉から手が出るほどほしかった勝点3が積み上げられた――。
一体、何が変わったのかと問われれば、まずはシュートの意識が高くなった。キックオフ直後の鈴木慎吾のミドルシュートにはじまり、3分にはクロスのこぼれ球を拾った宮沢正史もためらうことなく左足を振りぬいた。両者ともネットを揺らすことはなかったがゲームの入り方は意欲的だった。11分に先制点を決めた東慶悟のゴールも「ボールがこぼれてきたのでコースを狙うとかではなく、思いっきり打った」と言うように、シュートの意欲が前面に出ていた。
もうひとつは、裏のスペースを突くフリーランニング。8分に高橋大輔が、9分に鈴木が立て続けに長い距離を走って裏のスペースを狙い、決定機をつくった。「これまでの数試合はワンタッチ、ツータッチのパスでいいところまでボールを運びながら、その先のアクションを起こせなかった。個人的には相手の裏を狙ってアクションを起こすことを考えていた。チームに攻撃のスイッチを入れることができた」と高橋はその違いを説明する。確かにこれまでの試合を振り返ると、パスで組み立てゴール前に辿り着いても、そこで守りを固められ跳ね返されるケースが多かった。「フィニッシュまで持ち込みきれていない。相手に研究されているのだから、対応策を考えないと勝点はとれない」。選手たちはアクションを起こさなければと危機感を抱いていた。そして辿り着いた答えがフリーランニングだったのだ。決勝ゴールは、クロスに対し逆サイドの高橋がゴール前に詰める走りから生まれたものだ。
ポポヴィッチ体制になり2カ月弱。人もボールも動くサッカーを浸透させるには、まだまだ多くの時間が必要だ。しかし、その途上で安易なサッカーには走らず、スタイルを変えずに修正、改善し、工夫できたことは大きい。
一方の磐田はペースを握られた時間に「大分のモビリティに手を焼きバタバタしてしまった」という点で凌ぎきれなかった。「25分以降は対応できた」と柳下正明監督が振り返ったように、決して悪い内容の試合ではなかった。ただ、「攻撃に移るときのパスミスが多く、サポートが遅れたのでチャンスをつくれなかった」。これが磐田には重くのしかかった。
拮抗した展開、スコアだったが、大分の攻撃における工夫が光った試合だった。
以上
2009.09.14 Reported by 柚野真也