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コラム

Jリーグ副理事長 原博実が試合解説“イイ時間帯ですね。”

2016/10/14 16:51

明日のルヴァンカップ決勝への展望(♯10)

いよいよ明日、10月15日にJリーグYBCルヴァンカップのファイナルが開催される。対戦カードはガンバ大阪vs浦和レッズ。ともにこの大会を制したことがあり、実力と人気を兼ね備えたチーム同士の対戦だけに、白熱した一戦になることが予想される。今回は、準決勝第1戦(G大阪 vs 横浜FM)と第2戦(浦和 vs FC東京)を観戦して、この決勝戦の展望を語っていきたい。

■代表選手との構成がポイントの浦和
まず、浦和に関して言えば、メンバー構成がひとつ大きなポイントになると思っている。浦和は準決勝のFC東京戦を代表選手が不在のなかで良い内容で勝ち上がったよね。阿部 勇樹も怪我で欠く状況だったにもかかわらず、2戦合計で5-2と圧倒した。FC東京も調子が良くなかったように見えたけど、とはいえ、浦和の完勝と言えるゲームだったよね。その良い流れを保つためには、この試合に出場したメンバーをそのまま起用することが考えられる。

一方で、ペトロヴィッチ監督の頭の中には、多少疲労しているとはいえ、代表に招集された西川 周作、柏木 陽介、槙野 智章の3人に対する信頼は変わらずあると思う。GKの西川に関してはピッチに立つと思うけど、柏木と槙野を本当に使ってくるのか。肋骨にひびが入っているという阿部も含め、準決勝で不在だった選手たちに、この決勝でどのような役割を与えるのか。ペトロヴィッチ監督の起用法に注目したい。

■誰をどこに置くかがポイントのG大阪
東口 順昭、オ ジェソクとG大阪も準決勝は代表選手が不在だったけど、こちらの場合は代表組の融合というテーマよりも、どの選手をどこに置くかという選手の組み合わせが焦点になると思っている。とりわけ攻撃陣をどう配置していくのか。長沢 駿の1トップで行くのか、それとも速さを生かすためにアデミウソンを最前線に置くのか。遠藤 保仁のポジションはトップ下か、はたまたボランチになるのか。サイドハーフは大森 晃太郎でいくのか、準決勝でアシストを決めた藤本 淳吾の好調さを買うのか。タレントが豊富なだけに、長谷川 健太監督も悩みどころだろうね。

ひとつ判断の材料となるのが、2週間前のリーグ戦での直接対決だと思う。G大阪は退場者を出したとはいえ、浦和に0-4と完敗を喫している。映像を少し載せるけど、この試合では浦和の右サイドからの攻撃に手を焼いていたよね。G大阪にとっては左サイドをいかに修正していくかが決勝での大きなテーマとなると思う。その試合では遠藤がボランチだったけど、守備の修正を図るには、今野 泰幸と、ニューヒーロー賞に輝いた井手口 陽介のボランチコンビとし、遠藤をトップ下に置くほうが適しているかもしれない。あくまでこれは僕の考えではあるけれど、長谷川監督がどのような浦和対策を敷いてくるのか。そこが試合の行方を左右する大きなポイントとなりそうだ。

■まとめ
2週間前のリーグ戦での敗戦に加えて、G大阪は昨年の決勝で鹿島アントラーズに敗れた悔しさを胸に、この試合に臨むことになると思う。去年は戦前の予想では、G大阪が優位と見られていたけど、結果的に監督を交代したばかりの鹿島が快勝を収めている。

今回はリーグ戦での戦いを踏まえれば浦和優位と思う人も多いかもしれない。その意味で、G大阪には失うものがないと言えるかもしれない。去年の鹿島が立ち上がりからハイプレスを仕掛けてG大阪の自由を奪い続けたように、今年は逆にG大阪が受け身にならずアグレッシブな守備を続けていく。そういう戦いに持ち込めれば、勝機は高まるはず。

一方の浦和とすれば、2007年のACL以来のタイトル獲得のチャンスだよね。その間、リーグ戦や、このリーグカップ、そして天皇杯でもタイトル獲得にあと一歩に迫りながら、逃し続けてきた過去がある。

ペトロヴィッチ監督にとっては、サンフレッチェ広島を率いた時代も含め、無冠が続いている。そういえば長谷川監督も、清水エスパルス時代も含めタイトルとは縁遠かったけど、2014年にこの大会で初めてタイトルを獲得すると、その年はリーグ、天皇杯も制して、一気に3冠を達成した。その意味では浦和も同じ道を辿るかもしれない。ここでひとつタイトルを獲得できれば、精神的にも楽になるだろうし、自信にもつながる。もしかしたら、今回のファイナルは浦和の黄金期の幕開けになるかもしれないね。

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