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コラム

青山 知雄の悠々J適

2015/4/3 17:00

日本代表にオススメしたい選手は?(♯5)

Jリーグ勢の大活躍を目の当たりにして、一人でこっそり誇らしく思っている自分がいた。

満員の東京スタジアムで3月31日に行われた日本代表対ウズベキスタン代表のJALチャレンジカップ2015。ヴァイッド・ハリルホジッチ新監督率いる新生日本代表は、大量5得点を奪ってアジアのライバルを一蹴した。うち4ゴールをJクラブ所属選手が決め、残りの1ゴールをアシストしたのもJリーグ勢だった。

豪快なボレーシュートで存在感を示した青山敏弘(広島)。
豪快なボレーシュートで存在感を示した青山敏弘(広島)。

青山敏弘(広島)が右CKのこぼれ球をミドルレンジからの豪快なハーフボレーで叩き込んで口火を切れば、太田宏介(FC東京)が自慢の左足からのピンポイントクロスで岡崎慎司(マインツ/ドイツ)のダイビングヘッドをアシスト。柴崎岳(鹿島)は激しいプレスでルーズボールを奪って飛び出してきたGKの頭を越える超ロングシュートを決め、さらに「岳とは13歳の頃からずっと一緒にやってきた」という同世代の宇佐美貴史(G大阪)が狭いエリアを切り裂く鋭いドリブルからの強烈なシュートで4点目をマークする。そして終了間際には森重真人(FC東京)がヘディングでつないだボールを川又堅碁(名古屋)が頭でねじ込んでダメ押し。それぞれがJリーグで見せている“普段どおり”の持ち味を発揮して結果を残した。

柴崎岳(鹿島)はクラブ同様クレバーなプレーでアピール。
柴崎岳(鹿島)はクラブ同様クレバーなプレーでアピール。

ウズベキスタン戦後に感じた誇らしさの中には、Jリーグでのプレーが日本代表にハッキリつながるというワクワク感があったのかもしれない。「海外組ばかりが大きく扱われがちだけど、Jリーグでプレーしている選手だってすごいんだぞ」と。

何かを見たり感じたりした際に、どうしてもJリーグを軸に考えるフシがある。今回で言えば、日本代表における国内組の比率と選手の抜てきについてだ。

宇佐美貴史(G大阪)は待望の代表初ゴールを記録した。
宇佐美貴史(G大阪)は待望の代表初ゴールを記録した。

3月の代表合宿では、ハリルホジッチ監督が自らのコンセプトを伝えるために通常より多い31人を招集し、うち18人がJクラブから選出された。また、指揮官が「今回のリストに入っていなかった選手にも準備をしておいてほしい」と考えて新しく設定したバックアップメンバーは、実に12人中10人がJリーグ勢だった。こちらはこれまで代表未招集だった車屋紳太郎と谷口彰悟(ともに川崎F)も含まれている。

ちょうど同監督はメンバー発表前日に行われたヤマザキナビスコカップの川崎F vs 名古屋のゲームを視察に訪れ、そこで見初めた永井謙佑(名古屋)と小林悠(川崎F)を初陣に向けたメンバーに選びつつ、車屋と谷口、追って追加招集することになる川又を抜てきした。今回はバックアップメンバー止まりだったが、ともすれば今度も彼らのような「サプライズ」が起こる可能性は十分にある。

ハリルホジッチ監督のこだわりは、選手たちの意識だけでなくJリーグ、そして日本サッカー界全体を根本から変える可能性を秘めている。今回のキャンプで代表選手に求めた考え方は、球際の激しさや攻守の素早い切り替え、そして鋭くゴールを目指す意識。全力でボールを追いかけてゴールを狙うことは「サッカーの原点」とも大事な部分だ。どんな戦術を採用しているチームでも、ボールに対する執着心や闘争心、ゴールを陥れる強烈な意欲がなければ、目の前で対峙する相手選手にも試合にも勝つことはできない。それを日本サッカー界全体に再確認させてくれたようにも思う。今回の経験を代表選手が所属チームに戻ってフィードバックすることで、JクラブやJリーグにも好影響を与えることが期待される。

川又堅碁(名古屋)も与えられたチャンスで得点という結果を残した。
川又堅碁(名古屋)も与えられたチャンスで得点という結果を残した。

3月19日のメンバー発表会見で「各ポジションに競争があり、あらかじめ決められたベストメンバーはない。その時にベストな選手を呼んでいきたい。これから出てくる選手がスター選手と入れ替わることも問題ない」と口にしていたハリルホジッチ監督。大分と東京での2試合では、ケガのために途中離脱した興梠慎三(浦和)を除くフィールドプレーヤーを全員起用し、それぞれが持ち味や結果を出した。サバイバルレース宣言も当初は社交辞令かと思われたが、今となってみれば実際のものとして本格的にスタートしそうな予感が漂う。仮に知名度が低い選手でも、光る部分が精力的にスタジアムへ足を運ぶ指揮官の目に留まれば、一気に日の丸を着けることも夢ではない。それだけ新しい日本代表には門戸が開かれている。実力や人数がある程度見えている海外組に対し、Jリーグには“ダイヤの原石”がゴロゴロ転がっているとも言える。

僕らの日常にあるJリーグは、世界とつながっている。もちろん日本代表がすべてではないが、すでに十分な実績を持つ素晴らしい選手も、これから選ばれそうな期待の星もたくさんいる。次に選ばれる選手が誰なのか。ハリルホジッチ監督の薫陶が選手たちに、そしてリーグ全体どう波及していくのか。そこに新しい楽しみを見いだしつつ、今まで以上に意識して自分なりの「掘り出し物」や「飛び級候補」を探してみることにしよう。さて、あなたのオススメ選手は?

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