レポート
2015/11/29(日)21:30
広島練習レポート(11月29日)【決勝】
冷たい風が吹いていたが、雨の心配はない日曜日、広島はマザータウンである広島県安芸高田市の吉田サッカー公園で練習を行った。2つ準備されている駐車場にはサポーターの車でいっぱい。たくさんの人々が、日本一に向かって戦う選手たちの姿に、熱い視線を送った。
チャンピオンシップ(CS)決勝シードが決まってから、相手が決まらぬままに練習を続けていた広島。だが、その現実にフワフワとすることなく、これまでと同様に厳しい雰囲気でトレーニングを続けてきた。
今日(29日)の主なメニューは、守備陣と攻撃陣に分かれてのクロストレーニングと、ハーフコートでの紅白戦。主力組11人に対し、サブ組は12人というハンディキャップマッチは、互いの意地と試合への渇望が情熱と化し、激しく力強いプレーの連続。左眼窩底骨折の大怪我を負って離脱していた水本 裕貴もフルメニューをこなし、「違和感はそれほどではない。自分のポジションは保証されていないし、しっかりとやらないと」とコメント。いつもどおりの緊迫感と明るい雰囲気を保ち、約2時間のトレーニングは終わった。練習後、コンディション調整が必要な選手以外はしっかりとサポーターの前に立ち、サインや写真撮影を行うのも、通常どおりの広島である。
「試合になったらどういう空気になるか、それは分からない。ただ、今年の自分たちがやってきたことを整理し、それを思い切り試合にぶつければ、結果はついてくる」と静かに自信を見せるのは、数々のビッグセーブで今季のチームを救った林 卓人である。
そんな林に、準決勝のマン・オブ・ザ・マッチに輝いたガンバ大阪の東口 順昭のプレーについて、聞いてみた。
「特にG大阪の2点目のシーンは、彼の準備が素晴らしいから、あのバックパスに触ることができた。ポストに当たったボールに対しても冷静に対処してパスを出したことが、得点につながりましたね。さすがだと思います」
CS決勝という大舞台では、GKの出来が大きく勝負を左右する。日本代表の東口に対し、林もかつて日本代表経験を持ち、プラジル・ワールドカップではバックアップメンバーに選出された実績を持つ。名守護神同士の対決は、日本一の座に辿り着くためには大きなポイントとなるはずだ。ちなみに今季、2人の直接対決において、流れの中での失点は1点もない。
[文:中野 和也]