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サッカーにおけるインテンシティとは?

サッカー中継を見ていると耳にすることの多い「インテンシティ」という単語。どういう場面でどんなときに使われる言葉なのでしょうか?その言葉の意味と共に詳しく説明します。

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インテンシティとは

インテンシティとは「強烈」「強さ」「集中力」などを意味する言葉で、サッカーではプレーの強さや激しさを指す意味で用いられています。ただし、定義は明確化されているわけではないため使われ方は多岐に渡り、フィジカル的なことだけではなく、メンタル的な側面、あるいは戦術的な側面でもこの言葉は用いられています。

ボールを競り合う稲垣祥(名古屋)とパトリック(京都)

サッカーにおいて「インテンシティ」が話題になった理由

日本で「インテンシティ」という言葉が使われるようになってきたのは、2013年のこと。当時の日本代表監督を務めていたアルベルト・ザッケローニ監督がブラジルワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリア代表戦を前にした会見で頻繁に用いたことで注目されました。結果を出すためには技術だけではなく、「インテンシティ」が必要だと主張したのです。
2015年から日本代表監督を務めたヴァイッド・ハリルホジッチ監督もこの言葉を用いて選手たちにプレーの激しさや強度を求めました。またハリルホジッチ監督は「デュエル」という言葉も活用し、1対1や球際の争いの重要性も強調しました。

ドリブルする白井康介(京都)

サッカーにおけるインテンシティ

インテンシティという言葉を聞いて真っ先にイメージできるのがプレーの激しさです。球際での争いや、相手を置き去りにするようなスピード、スプリントを何度も繰り返す動きなど、見ていて「激しい」と感じるようなプレーが、インテンシティの高いプレーと言うことができます。
また、インテンシティはこういった「身体的」な面だけでなく「戦術的」な面でも重要な要素となっています。

横浜FMの西村拓真選手

身体的なインテンシティ

■球際の強さ
球際の争いはインテンシティを表現する最も分かりやすいプレーです。1対1の局面や、ルーズボールをマイボールにするために、身体をぶつけ合って激しくボールを奪い合うプレーはサッカーにおいて不可欠なもの。それによって試合の流れは左右されるため、インテンシティの高さが求められてきます。また相手のチャージを受けながらもボールをキープしたりドリブルで運んだりするプレーも、インテンシティが必要となってきます。

■スピード
以前に比べ、現代サッカーではフィジカル的要素がより求められるようになっています。そのなかでもスピードは重視されています。長い距離を走って相手よりも先にスペースに飛び出す動きはもちろん、狭いエリアでも素早く動いて相手の逆を取ったり、一気に加速したりする動き。あるいは攻撃から守備へと瞬時に切り替えて、危険なエリアを埋める動きなど、こうしたプレーにはインテンシティが求められ、それが足りないと今のサッカーでは対応することが難しくなっています。

■連続した動き
スペースと時間が限られた今のサッカーでは、気を抜く時間はほとんどありません。絶え間なく足を動かしながら攻撃、守備をこなし、ひとつのプレーが終わってもまた次のプレーへと身体を動かしていかなければいけません。このような連続した動きができることも、インテンシティが高いと言えます。90分間身体を動かせるスタミナはもちろん、何度もスプリントを繰り返せる能力も求められてきます。

日本代表チームが重視しているインテンシティの指標

日本代表チームでは、インテンシティのうち「HIRR」(※)という指標を重視しており、JFAフットボールカンファレンスでも言及がありました。
※HIRR : High Intensity Running Ratio
*フィールドプレーヤーの走行距離のうち、時速 20km 以上の割合
そのような流れの中、Jリーグでもスプリントやハイスピード走行の定義を世界基準に変更し、「HIRR」データの取得を開始しています。

<2023シーズンJ1リーグ17節までのデータ>

2023シーズンJ1リーグ17節までのデータ

まとめ

インテンシティという言葉は使われ方が多岐に渡るため、指導現場で使っても上手く伝わらない可能性があります。とはいえ現代サッカーでは重視されているものであり、選手たちに求めるべきものでもあります。フィジカル的な部分、考える部分、戦術的な部分、それぞれに用いられるインテンシティの意味を理解し、効果的に活用することが大事になってきます。

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