シャレン!Jリーグ社会連携
ロアッソ熊本
「熊本の生物多様性はロアッソが守る!」2022シーズン3部作活動
熊本市は人口73万人を超える政令指定都市でありながら、市中心部には豊富な水、水生生物を育む市民の憩いの場所である「江津湖」、西に「金峰山」や「有明海」、また少し足をのばせば、「阿蘇」や「天草」など県全体で考えると大変自然の豊かな地域である。熊本市は私たちにたくさんの恩恵を与えてくれる自然を守るため、生物多様性保全と持続可能な利用に向けた基本的かつ総合的な計画「熊本市生物多様性戦略~いきもん つながる くまもと Cプラン~」が策定されている。ロアッソ熊本では、市民への生物多様性保全の重要性を知るきっかけ・考えるきっかけを伝えるべく、この活動をシリーズ化することで継続して行った。
- 活動場所
- 熊本市えがお健康スタジアム周辺 熊本市江津湖
- 協働者
- 行政、住民、ファン・サポーター、選手
- 協働者名
- 熊本市役所環境局環境推進部環境共生課、ロアッソ熊本をJ1へ県民運動推進本部、環境省九州地方環境事務所
協働者の声
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熊本市環境局環境推進部環境共生課/北村 聡 氏
生きモノの調査や、外来生物の駆除には多くの労力を要し、行政だけではマンパワーにも限界があるため、親子を中心とした多くのサポーターや選手たちにご協力いただき、非常に助かりました。これらをきっかけに市内の生きものについて興味・関心をもっていただき「生物多様性」について考えてもらえると嬉しく思います。
活動詳細情報
1.公式サイト
ストーリー
熊本市の豊かな自然環境の保全と持続可能な利用に向けた基本的かつ総合的な計画として「熊本市生物多様性戦略~いきもん つながる くまもと Cプラン~」が平成28年に策定され、熊本市を中心に様々な取り組みがなされています。その一環として令和元年より、自然環境に関する情報収集、整理把握することを目的として行われている「市民参加型セミ調査」というものがあります。昨年、熊本県の地元新聞「熊本日日新聞」の記事でこの調査のことを見た瞬間に、運命的な出会いを感じたホームタウン担当者はすぐに熊本市環境共生課に連絡し、担当の北村さんとクラブマスコットのロアッソくん、当時のクラブアンバサダー・片山奨典氏と一緒に現場に赴き、指導を受けながら、調査を行いました。
この活動を通じ、初めて生物多様性という言葉や、それを保全することが将来の私たちの生活にとっても非常に重要なことだという意味を知りました。
ロアッソ熊本はサッカーチームであり、生物多様性を守る専門家ではありません。しかし、選手やクラブスタッフがその重要性を知ることにより、ロアッソ熊本ができることをやってみて、またそれを発信することで、生物多様性という言葉やその重要性を発信することが出来ます。
そのため、ロアッソ熊本の選手やスタッフ、サポーターのみなさんに実際に体験してもらい、学んでもらう活動を企画し、活動の継続性やストーリー性のためにその活動を「熊本の生物多様性はロアッソが守る!MISSION1・2・3」とシリーズ化して行いました。
MISSION1では、環境省九州地方環境事務所も駆除のために様々な広報活動を行っている特定外来生物「オオキンケイギク」の駆除をスタジアム周辺にて行い、周辺住民の方へも駆除の依頼や方法を伝えました。また地元TVでも取り上げられ、「オオキンケイギク」の存在を大きく発信することができました。
MISSION2では、ホームゲーム開催時に、サポーターのみなさんに参加してもらい、スタジアム周辺でのセミ調査を行い、セミ調査の意味や生物多様性の意味を知ってもらうきっかけを作ることができました。
MISSION3では、熊本市の湖「江津湖」の外来生物の状況を熊本市動植物園に学びに行き、その後のフィールドワークでは、ブラックバスやカムルチーなどの外来生物を釣った際の回収ボックスを見学、また実際に釣り竿をもって、外来魚の駆除にチャレンジしました。残念ながら駆除ミッションは失敗に終わりましたが、外来魚についての発信というミッションは達成できたことと思います。
今後は、更にたくさんの団体・人たちと一緒に、生物多様性の保全についての活動に取り組んでいき、地域の人たちが自分たちで考え・実践できる保全活動のきっかけを作っていきたいと思っています。