シャレン!Jリーグ社会連携
ギラヴァンツ北九州
オリヒメプロジェクト~距離や障害を乗り越えた社会へのチャレンジ~
ギラヴァンツ北九州は、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を活用して外出困難な方々の社会参画促進を目的に、2021年よりオリヒメプロジェクトを始動。
2021年は、自宅等の遠隔地からスタジアム来場者との交流を図っていただくことから実証実験を実施。今年は、もう一歩進化させ、運営スタッフの一員として、ファンクラブブースやVIP招待者の受付業務を担っていただきました。プロジェクトの実施にあたり、一般社団法人ミオパチーの会、株式会社オリィ研究所との協働により、9月以降のホームゲーム6試合で実施しました。
- 活動場所
- ミクニワールドスタジアム北九州
- 協働者
- 行政、企業、スタジアム、ファン・サポーター、一般社団法人
- 協働者名
- 株式会社オリィ研究所、一般社団法人ミオパチーの会
協働者の声
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一般社団法人ミオパチーの会代表理事/伊藤 亮 氏
障害や難病があっても人の役に立ちたい。おもてなしをしたい。これまで出来なかったことがテクノロジーとの融合により出来るに変わることで、障害や難病を抱える方々が自宅からロボットを遠隔操作して会話をし6試合にて受付業務で活躍してくれました。ギラヴァンツ北九州と歩むこの取り組みを応援いただけたら嬉しいです。
活動詳細情報
1.毎日新聞
3.公式サイト
ストーリー
2021年、分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を操作して、カフェでの接客業務で活躍する先天性ミオパチーの会の代表と出会い、外出困難な方が日常生活を送るうえで様々なハードルがあるという現実を改めて認識しました。先天性ミオパチーの会は、北九州市を拠点に、国指定の難病である先天性ミオパチーの早期根治を目標として、様々な啓発活動や研究活動などを行っている団体です。この代表の方とお話をする中で、Jリーグ公式戦でタイアップした活動ができないかの模索が始まりました。
当初、ビジターサポーターへの観光案内というテーマで検討を進めましたが、行政や関係機関の方々とも協議を重ねる中で、まずはオリヒメを通じてスタジアム来場者とコミュニケーションを図っていただく、つまり自宅にいる外出困難な方とスタジアムにいるファン・サポーターの方々がオリヒメを通じて交流を図ることを目的として、先天性ミオパチーの会と協働した実証実験を行いました。ここでの実証実験を踏まえ、2022年からは「先天性ミオパチーの会」だけでなく、オリヒメの開発元でもある株式会社オリィ研究所にも協働者として加わっていただき、ホームゲーム当日、外出困難な方には運営スタッフの一員として遠隔地からオリヒメを操作してもらい、ファンクラブブースやVIP招待者の受付業務にあたっていただきました。遠隔地からオリヒメを操作する方をパイロットと呼びますが、パイロットの方の手配や研修等に関する部分をオリィ研究所に、当日スタジアムでのサポートを先天性ミオパチーの会にそれぞれ担っていただき、クラブでは全体管理を行うとともに、パイロットの方が業務に従事しやすいように対応マニュアルの策定などに取り組みました。普段接することのない東京都や島根県などに在住する方にパイロットとして遠隔地から従事してもらう中で、「全国どこにいてもネットがあれば人と関わる仕事ができるのは大きい」と言っていただき、このプロジェクトの意義を再認識しました。
今後は、協働者を増やしながら、外出困難者の就労機会を創出するという社会課題の解決に継続的にアプローチしていきたいと思います。