明治安田生命J2リーグ 第27節は上位対決が複数組まれるなど、注目カードが目白押しとなった。
激しい戦いが予想されるのが3位の長崎と首位・湘南の一戦だ。前節岐阜に競り勝ち3位に浮上した長崎は、この直接対決を制しさらに勢いに乗っていきたいところ。得点力不足の課題を露呈するが、堅守をベースに湘南の隙を突きたい。一方の湘南は2連勝中。前節は難敵の松本に競り勝ち、勝負強さを増している。昇格争いのライバルに勝利を収め、J1復帰への足場を固めていきたい。
2位の福岡はアウェイで京都と対戦。勝点1差で湘南を追いかけるなか、2試合連続完封勝利と守備の安定性を高めているのは好材料だ。対する京都も4試合負けなしと状態を上げている。田中 マルクス闘莉王とケヴィン オリスの2トップを軸とした攻撃で、福岡の堅守をこじ開けられるか。
4位の徳島と6位の横浜FCの一戦も興味深い。徳島は2連敗と調子と落としており、横浜FCも前節は大分に競り負けた。決して状態はいいとは言えないが、プレーオフ進出圏内に踏み止まるためにも、ともに負けられない一戦に。両者の勝点差はわずかに2と結果次第で立場が入れ替わる可能性もあるだけに、お互いが気持ちを前面に押し出した、熱い戦いが期待できそうだ。
5位の名古屋と9位松本の一戦も、激しい戦いが予想される。名古屋は前節7ゴールを奪って愛媛を撃破した。4点のリードを一度は追いつかれた戦い方には課題が残るも、それでも攻撃陣の爆発が勢いを加速させる要因となるだろう。松本とすれば、名古屋の攻撃に耐え、素早い切り替えから相手ゴールに迫るサッカーを狙いたい。前節は湘南に競り負け、浮上のきっかけを逃しただけに、敵地での戦いとはいえ勝点3の確保が最重要テーマとなる。
7位の大分はホームに町田を迎える。5試合負けなしで2連勝中と、昇格プレーオフ進出圏内を射程に捉えている。ここ5試合で3失点と守備に安定性が備わり、前節は横浜FCに競り勝つなど勝負強さも身に付けつつある。ホームで3連勝を達成し、上位進出を現実のものとしたい。一方の町田は4連勝の後に2連敗。ともに完封負けと、攻撃面に課題を残す。戸高 弘貴ら前線の奮起が求められるところだ。
12試合負けなしで8位の岡山は、アウェイで岐阜と対戦。6位の横浜FCとは同勝点で並んでおり、昇格プレーオフ進出圏内がいよいよ間近に迫っている。エースの赤嶺 真吾が負傷離脱したのは痛手だが、この窮地をチーム一丸となって乗り越えたい。対する岐阜はなかなか波に乗れていない。前節も長崎に1-2と敗戦。内容は悪くない戦いを続けているだけに、目に見える結果を手にしたいところだ。
千葉はホームに山口を迎える。勝ち負けを繰り返す出入りの激しいサッカーが続くも、徐々に課題の守備が安定してきたのは好材料。得意のホームでの一戦で、上位進出への足掛かりをつかみたい。対する山口は3連敗と再び苦境に追い込まれている。降格圏が背後に迫るなか、課題は3試合で6失点の守備。千葉の攻撃をいかに封じるかがポイントとなるだろう。
山形はホームで金沢と対戦。前節は群馬に競り勝つなど、再浮上の兆しを見せている。とはいえ得点力不足の課題は解消されていないだけに、攻撃パターンの構築が早急に求められる。金沢は4試合勝利から見放されており、苦しい戦いが続く。この間わずか1得点と、こちらも得点力不足が課題。両者の状況を踏まえれば、1点を争う緊迫した戦いが展開されそうだ。
愛媛vs水戸はともに勝ち切れない戦いが続く。愛媛は前節、名古屋相手に壮絶な打ち合いの末に敗戦。一度は4点差を追いついた粘り強さを示したものの、結果的に7失点を喫した守備をいかに修正できるか。水戸は前節、讃岐に完封負け。勝てば上位進出の可能性もあっただけに、手痛い敗戦となった。ここ4試合で3度の無得点と、課題は明らか。7試合ゴールから見放される林 陵平の爆発が求められるところだ。
6試合勝利がなく13位に転落した東京Vは、ホームで熊本と対戦。序盤戦の快進撃を支えてきた堅守が崩れ、攻撃面も安定性を欠く。この苦境をいかに乗り越えるのか。ミゲル アンヘル ロティーナ監督の修正力が求められる。対する熊本は徐々に調子を上げている。前節も山口に2-1と競り勝った。攻守両面で安定性が高まり、残留争いから抜け出している。勢いを増すなか、さらなる浮上も十分に実現可能だろう。
群馬vs讃岐の下位対決も注目だ。10試合勝利がない群馬に対し、讃岐は前節水戸を下し、8試合ぶりの勝点3を手にしている。降格圏から抜け出すためにも、ともに勝利が求められる一戦。果たして好転のきっかけを見出すのはどちらのチームか。
■各試合の見どころをチェック
山形vs金沢
群馬vs讃岐
千葉vs山口
岐阜vs岡山
京都vs福岡
愛媛vs水戸
東京Vvs熊本
徳島vs横浜FC
長崎vs湘南
大分vs町田
名古屋vs松本