明治安田生命Ｊ１リーグは、今節で第20節を迎える。優勝、残留争いともに、これからさらにヒートアップしていくことが予想される。
暫定で首位に立つＣ大阪は、ホームで札幌と対戦。前節はＧ大阪とのライバル対決に敗れて連勝が4でストップした。持ち前の堅守が崩れての完敗だっただけに、いかに切り替えられるかが今節の重要なテーマとなるだろう。対する札幌は3戦負けなしと状態を上げている。前節は浦和に快勝を収め、残留争いから一歩抜け出した印象だ。エースの都倉 賢が再び調子を上げており、新加入のジェイとチャナティップも戦力として計算が立つことを証明している。首位チームを撃破すれば、さらなる上昇も期待できる。
2位の鹿島はホームに仙台を迎える。7試合負けなしと安定した戦いを続けるなか、前節は甲府に3-0の快勝と勢いを加速させている。攻撃陣が調子を上げるなか、安部 裕葵という新たなタレントも台頭。昨季王者は盤石の体制でＣ大阪を追いかけている。一方の仙台は5試合勝利なしと苦戦が続く。失点の多さが目に付くだけに、守備の修正がカギを握る。いかに鹿島の攻撃に粘り強く対応できるかが、最大のテーマとなるだろう。
3位のＧ大阪はアウェイで甲府と対戦。Ｃ大阪を破った前節の勢いをこの試合にも持ち込めるか。早々に結果を出したファン ウィジョのパフォーマンスに今節も注目だ。甲府は10試合勝利なしと、いよいよ苦しい状況に追い込まれている。現在は6試合ゴールから見放されており、得点力の向上が何よりも求められている。敗れれば降格圏へと沈む可能性のある一戦。ホームで意地を見せたいところだ。
川崎ＦとFC東京の“多摩川クラシコ”も注目の一戦だ。川崎Ｆは前節、磐田に5失点の完敗。FC東京も5試合勝利から見放されており、状態はいいとは言えない。それでも記念すべき30回目を迎えるライバル対決は、これまでにも数々の名勝負を生み出してきた。両者の意地が激しくぶつかり合う、スペクタクルな一戦を期待したい。
3試合勝利がなく勢いが失われつつある柏は、ホームに神戸を迎える。注目は柏の若き守備陣と、神戸のFWルーカス ポドルスキの対決だろう。前節、2ゴールを挙げ衝撃のデビューを飾った元ドイツ代表のストライカーを、中村 航輔を軸とする柏の守備陣がいかに食い止めるのか。ネルシーニョ監督の古巣対決というポイントも含め、見どころ満載の一戦となることは間違いない。
今最も勢いに乗るのが磐田だろう。現在、6連勝中で6位に浮上。一気に優勝争いへと名乗りを上げている。好調の要因は6試合で4度のクリーンシートを達成した守備にある。一方で前節は川崎Ｆ相手に5ゴールを奪うなど、攻撃面も迫力を増している。攻守両面で安定した戦いを続けており、ホームで7連勝の実現を目指す。対戦相手は残留争いに苦しむ広島。ヤン ヨンソン新監督の初陣となった前節は、押し込みながらも趙 東建の一発に泣き、0-1と敗戦。これで7試合勝利なしと、いよいよ窮地に追い込まれている。果たして好転のきっかけを見出せるのか。新監督の手腕に注目したい。
同じく苦しい状況に追い込まれているのが浦和だ。前節、札幌に敗れ、ペトロヴィッチ監督の退任が決定。今節より堀 孝史監督の下でリスタートを切る。その初戦は大宮とのさいたまダービーと、いきなり重圧のかかる戦いとなる。堀新監督はいかなる采配を見せるのか。メンバー構成も含め、新生・浦和の戦いぶりに大いに注目だ。対する大宮としても負けられない一戦となる。ここ3試合勝利がなく、降格圏から抜け出せないでいる。ライバル対決を制し、浮上への足掛かりをつかみたい。
調子を上げてきた鳥栖はホームに清水を迎える。前節、スーパーゴールを決めた趙 東建のパフォーマンスに今節も注目が集まる。清水も状態は悪くなく、前節は横浜FMとドロー。終盤に追いついての引き分けだっただけに、その価値は大きいだろう。こちらも注目はエースの鄭 大世。ストライカー対決が最大の見どころとなりそうだ。
最下位に沈む新潟は、ホームに横浜FMを迎える。前節はFC東京と引き分けたものの、連敗を6で止めた。この勝点1を今節につなげ、第12節以来の勝利を掴みたい。横浜FMはここ2試合勝ち切れない戦いが続いている。いずれも追いつかれての引き分けだっただけに、終盤の戦いがポイントとなりそうだ。
■各試合の見どころをチェック
甲府vsＧ大阪
鹿島vs仙台
浦和vs大宮
柏vs神戸
川崎ＦvsFC東京
新潟vs横浜FM
磐田vs広島
Ｃ大阪vs札幌
鳥栖vs清水
