湘南と福岡の2強が抜け出しつつあるなか、3位の長崎と4位の徳島も5位以下を徐々に引き離しており、上位争いは明確な構図を描きつつある。
首位の湘南は今節、アウェイで山形と対戦。前節は難敵・東京Vに2-0と快勝。現在7戦無敗で、その間わずかに2失点と盤石の戦いを続けている。対する山形は4連敗で15位に転落。前節も名古屋に0-1と敗れた。2試合連続無得点と、攻撃の迫力不足が苦戦の要因だろう。湘南の堅守を崩すのは容易ではないが、阪野 豊史ら攻撃陣の奮起を促し、ホームで首位撃破を実現したい。
2位の福岡と4位の徳島の対戦は、今節最大の注目カードだろう。ここ5試合でいずれも4勝を挙げる好調同士の一戦であり、ハイレベルの戦いが期待できる。福岡は前節、群馬に3-1と快勝。安定した守備に加え、攻撃陣も状態を上げており、今節もしたたかな試合運びを展開するだろう。対する徳島は京都と引き分け、連勝が4でストップした。とはいえここ5試合で16得点と圧巻の攻撃力を披露。好調の攻撃陣が福岡の堅守をいかに崩すかが、この試合の焦点となりそうだ。
3位の長崎は、アウェイで横浜FCと対戦。前節は松本に競り勝ち、さらに勢いを増している。3試合連続完封勝利と安定感抜群の戦いを続けており、今節も堅い守りをベースに、素早いアタックで相手の隙を突く戦いに勝機を見出すはずだ。対する横浜FCは前節岐阜に勝利し、連敗を4でストップ。再びプレーオフ進出圏内に浮上している。さらなる浮上のためにも連勝を目指すなか、新加入のレアンドロ ドミンゲスが今節ピッチに立つ可能性が高い。2011年のJリーグMVPに輝いたアタッカーが、J2の舞台でいかなるプレーを見せるのか。大いに注目したい。
なかなか調子の上がらない名古屋は京都の本拠地に乗り込む。前節は山形に競り勝ったものの、勝ち負けを繰り返す不安定な戦いが続く。連勝を実現するには、安定した守備組織の整備が不可欠。山形戦同様に、相手に隙を与えない戦いの実現を狙う。京都はここ2試合勝ちがなく16位に沈む。それでも田中マルクス闘莉王が調子を上げているのは好材料。古巣相手の一戦とあり、この大黒柱は高いモチベーションで臨んでいくはずだ。
3試合勝利から見放される東京Vにとっては正念場の一戦となる。今節はホームで讃岐と対戦。ここ3試合で7失点ともろさを露呈している守備の安定が、復調のカギとなる。讃岐は現在5連敗と苦境に陥る。前節も山口に1-3と完敗。先制しながらもリードを守り切れない展開で敗れている。得点は奪えているだけに、1点を大事にする戦いを実現したい。
9位の大分と8位の水戸の一戦も興味深いカードとなった。ともに3試合勝利がないものの、勝てばプレーオフ進出圏内に浮上できる可能性のある一戦。ともに高いモチベーションを備え、この戦いに挑むはずだ。大分は前節、終了間際のゴールで愛媛とドロー。負け試合を引き換えに持ち込んだその良い流れを、この試合にも持ち込みたい。一方の水戸は、町田に完封負け。攻撃陣に元気がないなか、4試合ゴールに見放されるエースの林 陵平の爆発が求められる。
千葉と金沢の好調対決も見逃がせない。ともに前節は敗れたものの、ここ最近のパフォーマンスには目を見張るものがある。両者の特長はともに攻撃力。千葉はここ5試合で15得点、金沢は12ゴールを挙げる。失点の多さは課題とはいえ、その持ち味を前面に押し出したアグレッシブな展開が期待できそうだ。
ともに中位に留まる松本と愛媛の一戦は、上位浮上をかけた重要な戦いとなる。調子を上げていた松本は、前節は長崎に0-1と敗戦。シュート数で上回りながらも決定力を欠いた。いかにチャンスをものにできるか。高崎 寛之ら攻撃陣にかかる期待は大きい。愛媛は5試合勝利なしと苦しい状況に陥っている。5試合で12失点と持ち前の守備組織が崩れている。松本の攻撃を粘り強く凌ぎ、カウンターから好機を生み出したい。
3連勝と調子を上げている町田は、アウェイで岐阜と対戦。3試合で7得点・1失点と攻守に隙のない戦いを展開する。6位の横浜FCとの勝点差はわずかに3。4連勝を達成すれば、上位進出も現実のものとなる。一方の岐阜は18位と厳しい戦いが続く。攻撃力は備わるものの、ミスからの失点が目に付く。持ち前のパスワークの精度をさらに高め、ミスからの自滅を避けることが何よりも求められる。
9試合負けなしの岡山は、2連勝と調子を上げている山口をホームに迎える。岡山は視界に入ったプレーオフ進出圏内に向けて、ホームで確実に勝点3を手にしたいところ。逆に山口は、降格圏から逃げるためにも3連勝の実現を狙う。前回対戦では岡山が1-0と競り勝ったが、今回は果たしていかなる決着を見るのか。
7連敗で最下位に沈む群馬は、いよいよ苦しい状況に追い込まれている。残留圏となる20位の山口との差は6。残留のためにもひとつでも勝点を積み上げたいところだ。前節は福岡に敗れたものの、7試合ぶりにゴールを挙げた。ポジティブな材料もあるだけに、ホームで結果を手にしたい。一方の熊本は3試合負けなしと調子を上げている。前節は千葉に1-0と勝利。監督交代後、着実に好転の兆しを示しており、その良い流れを今節にもつなげたいところだ。
■各試合の見どころをチェック
山形vs湘南
千葉vs金沢
松本vs愛媛
岐阜vs町田
京都vs名古屋
東京Vvs讃岐
横浜FCvs長崎
群馬vs熊本
大分vs水戸
岡山vs山口
福岡vs徳島