17日、埼玉スタジアム2002で『鈴木 啓太 引退試合』が開催された。試合は主役の鈴木 啓太が2ゴールを挙げる活躍をみせている。
REDS LEGENDS(浦和OB主体のチーム)とBLUE FRIENDS(鈴木 啓太と同じ時代に日の丸を背負った仲間たち主体のチーム)が対戦したこの試合、前半は鈴木のいるBLUE FRIENDSが攻勢をかけた。現役時代はイビチャ オシム元日本代表監督に「水を運ぶ人」と称され、守備的な役割が多かった鈴木だが、前半は仲間に促される形で頻繁にゴール前に顔を出し、巧みな動きから2得点を挙げる活躍をみせた。
前半終了時はBLUE FRIENDSが3-0と圧倒した試合は、後半に鈴木がREDS LEGENDSに移ると流れが一変。ポンテ、ワシントン、小野 伸二、永井 雄一郎、田中 マルクス闘莉王ら2006年のリーグ優勝、2007年のAFCチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げたメンバーのなかで、鈴木氏は本来の黒子に徹するプレーをみせはじめ、闘莉王が攻め上がるとすかさずカバーリングに入るなど、往年のシーンを彷彿とさせる一幕もみられた。
ポンテとワシントンが2ゴールずつを挙げ、試合はREDS LEGENDSが4-3と一時逆転に成功するも、終盤にBLUE FRIENDSがPKのチャンスを獲得する。ここでBLUE FRIENDSの岡田 武史監督が投入したのは、なんと前半はREDS LEGENDSの一員としてプレーしていた岡野 雅行。岡野は冷静にGKの逆を突いてゴールを決めると、全速力でベンチの岡田監督のもとへ走り、「ジョホールバルの歓喜」を再現してみせた。
試合終了後、鈴木はファン・サポーターに向けて最後の挨拶を済ませると、その日履いていた金色のスパイクを脱ぎ、浦和一筋だった16年のプロ生活に別れを告げた。