明治安田生命J1リーグは、シーズンの折り返しとなる第17節を迎える。今節の注目は首位の柏と3位の鹿島の一戦だろう。優勝の行方を左右する重要な戦いとなる。
10戦負けなしの柏に対し、鹿島は監督交代を機に3連勝と勢いに乗る。柏は守備の安定性が躍進の要因となっており、一方の鹿島はここ3試合で8得点と攻撃の迫力を増している。若さに溢れる柏の勢いが勝るのか、したたかな鹿島の勝負強さが上回るのか。見逃せない一戦となることは間違いない。
2位のC大阪はFC東京とホームで対戦。6試合負けなしと安定した戦いを続けており、持ち前の堅守に加え、前節は仙台相手に4ゴールを叩き込むなど、攻撃力も高まっている。攻撃の軸を担う清武 弘嗣が負傷離脱したのは痛手だが、柿谷 曜一朗ら他の攻撃陣の状態は良く、ダメージは小さいだろう。一方のFC東京は2連敗と苦しんでいる。こちらも主軸の大久保 嘉人が負傷離脱。2試合無得点と攻撃陣に元気がないだけに、エース不在のなかで苦戦は免れない。いかにC大阪の堅守をこじ開けていくのか。他の攻撃陣の奮起が求められる。
4位のG大阪は仙台の本拠地に乗り込む。前節は川崎Fに引き分けたものの、状態は悪くない。2試合連続ゴール中の長沢 駿が今節も重要な役割を担いそうだ。一方の仙台は2試合勝ちがなく、前節はC大阪に2-4で敗れた。リーグワースト2位の29失点を喫する守備をいかに修正できるかがポイントとなるだろう。
4連勝と勢いに乗る横浜FMは、降格圏を脱出した大宮とアウェイで対戦する。3戦連続完封勝利と守備の安定が好調の要因で、ワイドを使ったスピーディな攻撃も機能する。エースの齋藤 学に当たりが出てくれば、さらなる浮上も実現できるだろう。大宮は監督交代が奏功し、ついに残留圏内へと浮上した。つなぎの意識が高まり、エース格に成長を遂げた江坂 任も絶好調。その攻撃スタイルを貫き、横浜FMの堅守を打ち破りたい。
川崎Fはホームに神戸を迎える。上昇気流に乗っていたものの、前節はG大阪とドロー。攻撃スタイルが持ち味ながら得点力にやや欠けており、結果を出すためにも追加点を奪うことが重要課題となる。神戸は前節、横浜FMに完敗。怪我人続出で苦しい状況にあるなか、あっさりと失点してしまう守備に不安を抱える。まずは守備組織を整え、良い守備からの良い攻撃を実現したい。
難敵を次々撃破し、今最も勢いに乗るのが磐田だろう。今節はアウェイで新潟と対戦。川又 堅碁とアダイウトンの前線が絶好調で、中村 俊輔も着実に状態を上げている。もともと守備力には定評があったものの、得点を奪えるようになってきたのが好調の要因。この良い流れを保てれば、4連勝も十分可能だ。最下位に沈む新潟にとっては、厳しい相手となった。現在4連敗中で、呂比須 ワグナー監督が就任してからも、好転のきっかけを見出せていない。前線からの守備は徐々に機能しているだけに、高い位置でのボール奪取を実現し、ショートカウンターからゴールに迫る戦いに勝機を見出したい。
3連敗と苦境に追い込まれた浦和は、こちらも3連敗で17位に沈む広島をホームに迎える。移籍による因縁ひしめく両者の一戦は、例年であれば優勝争いを左右する戦いとなっていたが、今季は互いに手負いの状態で直接対決を迎えることとなった。浦和は失点の多さが課題で、広島は得点力不足がテーマに。ライバル対決を制し、好転のきっかけを掴むのは果たしてどちらのチームか。
4戦負けなしと復調の気配を見せる鳥栖は、アウェイで甲府と対戦。前節は浦和に競り勝つなど、勝負強さも示している。攻撃の軸を担っていた鎌田 大地がドイツのフランクフルトに移籍。キーマンを欠いた直後の一戦だけに、今後を占ううえでも重要な戦いとなる。甲府は7試合勝利がなく、苦戦が続く。しかもここ4試合はノーゴールと、攻撃面が大きな課題に。降格圏が近づくなか、ホームで是が非でも白星を手にしたい。
昇格チーム同士の一戦となった札幌vs清水。ともに苦戦が続くなか、勝点3こそが求められる戦いとなる。札幌は6連敗で、ついに降格圏の16位に沈んだ。一方の清水は前節、ようやくホーム初勝利を手にし、復調の兆しを示している。状態は清水が勝るものの、札幌は昨季の直接対決で2勝と相性で上回る。いずれにせよ、上昇のためには勝利こそが必要で、互いの意地がぶつかり合う激しい一戦となりそうだ。
■各試合の見どころをチェック
札幌vs清水
仙台vsG大阪
浦和vs広島
大宮vs横浜FM
川崎Fvs神戸
新潟vs磐田
甲府vs鳥栖
柏vs鹿島
C大阪vsFC東京