第16節は25日に全9試合が一斉開催される。首位の柏はホームで札幌と対戦。前節は甲府に引き分け連勝記録が8でストップしたものの、内容は決して悪くなく、変わらず好調を維持していると見ていい。甲府の堅守をこじ開けられなかった攻撃陣が、いかにチャンスをモノにできるか。早い時間帯に点を取れればゴールラッシュも十分考えられる。札幌は5連敗と苦しい戦いが続く。得点が取れず、失点も増加傾向にある。柏に押し込まれる展開が予想されるなか、まずは守備でリズムを掴み、一発のチャンスに賭けたい。
2位のＣ大阪も前節は清水に引き分け、連勝が4で止まった。それでも清武弘嗣の土壇場のゴールで追いついた戦いは評価できる。リーグ最少の12失点を誇る堅守に加え、攻撃面も良化しているだけに、今節も主導権を握る戦いを披露するだろう。対戦相手の仙台は4戦負けなしと状態を上げている。サイドアタックが機能し始め、得点を奪えるようになってきたのが好調の要因。Ｃ大阪の堅守をいかに崩していくかが、今節の焦点となるだろう。
3位のＧ大阪はホームに川崎Ｆを迎える。前節は試合巧者ぶりを披露し、神戸から完封勝利を収めた。Ｃ大阪と並ぶリーグ最少失点の守備と、勝負所を見逃さず確実に仕留める決定力は健在。パスワークに秀でる川崎Ｆの攻撃をいなしながら、自分たちのペースに持ち込めみたい。川崎Ｆも前節は広島に1-0と勝利。怪我人が復帰する中、徐々にチーム力を高めている印象だ。注目は阿部 浩之。昨季まで所属したＧ大阪相手にいかなるパフォーマンスを見せるのか。好調を維持しているだけに、この試合のキーマンとなるだろう。
鹿島は新潟とホームで対戦。監督交代後2連勝と好転した昨季王者は、2試合連続3得点ととりわけ攻撃面に変化がみられている。前節、2得点を挙げたペドロ ジュニオールがようやくフィットしてきたのは好材料で、今節もこのストライカーのパフォーマンスがカギを握りそうだ。新潟は3連敗と状況は苦しい。前節は同じ降格圏に沈む大宮に屈し、ダメージの大きい敗戦を喫している。今節も苦戦が予想されるなか、呂比須 ワグナー監督が求める守備戦術を体現し、鹿島の攻撃を封じ込めたい。
3連勝で5位に浮上した横浜FMはホームに神戸を迎える。前節は天野 純のリーグ戦初ゴールでFC東京を撃破。堅い守りと少ないチャンスをものする戦いで、結果を出している。今節もベースとなるのは守備。しっかりと耐え凌ぎながら、鋭いサイドアタックで攻勢に転じたい。神戸は前節、Ｇ大阪に0-1と惜敗。主力に怪我人が相次いでおり、今節も厳しい戦いを強いられそうだ。限られた手駒をやりくりし、いかにチームとしての機能性を高められるか。ネルシーニョ監督の采配力に注目が集まる。
2連敗と不調に陥った浦和は、アウェイで鳥栖と対戦。前節は磐田に4失点の完敗と守備の不安定さが目に付く。リーグ一の攻撃力を誇るものの、守備組織を整備できないようだと、今後も苦戦は免れない。鳥栖はここ2試合引き分けと、勝ち切れない戦いが続く。守備はまずまず安定しているだけに、課題は得点力。ドイツへの移籍が決まった鎌田 大地がホームでのラストマッチで意地を見せられるか。
2連勝と勢いに乗る磐田はホームにFC東京を迎える。Ｇ大阪、浦和と強豪を撃破しての連勝で、しかも2試合で7得点と攻撃陣が絶好調。名波浩監督の采配も冴えており、勢いだけではない強さが備わり始めている。今節も難敵との一戦となるが、自信を深めるチームが3連勝を達成する可能性は十分だ。対するFC東京は、前節横浜FMに0-1と敗れた。押し込みながらも決定力を欠いての敗戦だっただけに、求められるのは前線の奮起。とりわけチャンスを逃し続けた大久保嘉人がこの試合にかける意気込みは相当だろう。エースのパフォーマンスに大いに注目したい。
3勝6分6敗で並ぶ清水と甲府の一戦は、ともに勝利のみが求められる戦いとなる。清水は9試合勝利がなく、甲府は6戦未勝利。降格圏が近づくなか、希望を見出す勝利を手にするのは果たしてどちらのチームか。
広島vs大宮もテーマは同じ。ただし、両者の状況は異なる。2連敗中の前者に対し、後者は監督交代を機に、1勝1分と結果を出し始めている。勝ったほうが降格圏を脱出できる可能性のある一戦は、互いの意地がぶつかり合う激しい戦いに期待したい。
■各試合の見どころをチェック
仙台vsＣ大阪
横浜FMvs神戸
清水vs甲府
磐田vsFC東京
鹿島vs新潟
広島vs大宮
柏vs札幌
Ｇ大阪vs川崎Ｆ
鳥栖vs浦和
