Jリーグは6月22日、スペインのプロサッカーリーグ、ラ・リーガとの戦略的提携協定を締結。同日にJリーグの村井 満チェアマンと、ラ・リーガのハビエル・テバス会長が登壇し、調印式が行われました。
協定内容は両国トップチームの交流や育成年代の交流、インテグリティ、クラブマネジメントと多岐に渡り、オン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチの両面で、関係性を深めていくことになります。
会見には、スペインのSDエイバルで活躍する日本代表の乾 貴士選手も特別ゲストとして登場。スペインサッカー通で知られるJリーグの原 博実副理事長とトークセッションを行ないました。
トークセッションで乾選手は、今季のラ・リーガでの戦いを振り返るとともに、ラ・リーガの魅力、そして7月にセビージャが来日して鹿島アントラーズと対戦する明治安田Jリーグワールドチャレンジの見どころなどを語りました。
まず、今季のラ・リーガでバルセロナ相手に2ゴールを決めたことを問われると、「気持ち良かったですけど、(バルセロナのホームスタジアムが)シーンとなって変な感じでした」と感想を語ります。
ラ・リーガの特徴については、「技術が高いのはもちろんだけど、頭がいい。日本人選手は技術はあるけど、頭の良さはまだまだ劣っているのかなと。その辺も磨けるのがスペインの良さ。行ってみて、ここまでレベルが高いのかとびっくりさせられました」と、衝撃を受けたことを明かしました。
日本人選手がスペインで活躍するためには、何が求められるのか。原副理事長は持論を展開します。
「適応力ですね。日本人選手は力はあると思うんで、いろんなものに適応できれば十分にやれると思う。力がないとボールが出てこないということもあると思います。あいつに預ければ、あいつならやってくれるという信頼関係を普段から築けるかどうかでしょう」と語りました。
そして、7月に来日するセビージャの印象にについて、原副理事長は次のように語りました。
「セビージャは、伝統的に良い選手が育っている。セルヒオ・ラモス(現レアル・マドリッド)や、ヘスス・ナバス(現マンチェスター・シティ)といった個性ある選手が育っている。いい監督も生まれてきているし、地方のクラブではあるけど、魅力のあるチームだと思います。7月の鹿島戦のあとには、チャンピオンズ・リーグの予備選を控えているので、選手のモチベーションも高いでしょう。鹿島戦は面白い試合になると思います」
今季はセビージャ戦での出場機会がなかった乾選手ですが、セビージャの注目選手を問われると、「あまり選手の名前が分からないんですけど、ボランチの選手、そう、エンゾンジとかはすごいですよね。強いし、つなげるし、高さもある。ああいう選手は、なかなか日本にはいないと思います」と回答しました。
では、鹿島との一戦がどのような戦いになるのか。乾選手は次のように展望を語りました。
「セビージャは暑くて、動けないんじゃないかなと思います(笑)。なので鹿島が勝つにはそこで負けないこと。逆にセビージャはつないでくるのが上手いので、鹿島のスタイルにはまらなければ、セビージャが優位に立つんじゃないかなと思います」
最後に今回の提携について、感想を求められた乾選手は「とても嬉しいことですし、日本のサッカーが成長するための大きなチャンスだと思います。自分自身もラ・リーガでやっているので、日本人の評価を上げられるように頑張っていきたい」と、スペインでのさらなる成長を誓っています。