混戦に拍車がかかる明治安田生命J2リーグ。今節は昇格戦線を大きく左右する注目の一戦が行われる。首位の福岡と勝点3差で追う4位の名古屋の直接対決。昨季のJ1チーム同士の激突は、前半戦の大一番となった。
福岡は前節、千葉の守りを崩せずに0-0のドロー。この試合でウェリントンが警告を受け、今節は累積により出場停止となった。エースを欠いて迎える名古屋との一戦は苦戦が予想されるが、代役の選手のパフォーマンスに期待がかかる。一方の名古屋も主軸に怪我人が続出し、ベストメンバーを組めない状況。現在、2連敗中と調子を落としており、まさに正念場の一戦となる。総力戦でこの重要な戦いを乗り切りたいところだ。
2位の湘南は京都と対戦。前節はルーキーの杉岡 大暉のゴールで徳島を撃破。1点差をものにする勝負強さが蘇ってきており、ホームで戦う今節も確実に勝利を掴みたい。京都は11試合負けなしを続けるが、勝ち切れない戦いも目立つ。前節も終了間際の失点で引き分けただけに、90分を通したしたたかな試合運びが求められてきそうだ。
3位の横浜FCは山形をホームに迎える。徐々に勢いが低下するなか、前節も大分とドロー。ただし、イバが好調を維持しているのは明るい材料で、今節もこのエースのパフォーマンスが重要なポイントとなるだろう。山形は8試合負けなしと絶好調。ここ5試合で4勝と、今最も勢いのあるチームのひとつだろう。堅守に加え、阪野 豊史ら攻撃陣も調子を上げているだけに、上位相手となる今節も質の高いサッカーを披露するはずだ。
5位の長崎はホームで町田と対戦。前節は熊本に1-0と勝利と、1点を守り切る粘り強い戦いを実現した。今節も得意のホームで結果を出し、さらなる上位進出を実現したい。町田はなかなか調子が上がらず、17位と苦戦が続く。今節はキャプテンの李 漢宰が出場停止となるなか、チーム全体のハードワークがさらに求められる戦いとなりそうだ。
6位の東京Vと7位の愛媛の一戦も興味深い。共に安定した守備組織を備えた両者の激突は、1点を争う好ゲームが期待できる。ともに9勝3分6敗の勝点30で並んでおり、勝ったほうが浮上できる、まさにサバイバルマッチとなる。
水戸vs千葉も注目のカードだ。前者は11試合負けなしで、現在3連勝中。後者はここ2試合勝利がないものの、前節は福岡とスコアレスドローを演じたように、課題の守備に徐々に安定感が備わりつつある。両チームともにハイプレスを特徴としており、そのプレッシャーをかいくぐる攻撃を打ち出せるかどうかがこの試合の焦点となりそうだ。
5試合勝利がない大分は、讃岐とホームで対戦。前節も終了間際の失点で勝点3を逃しており、勝ち切るためのあと一押しが求められるだろう。讃岐は前節、12試合ぶりの勝利を挙げ、復調の気配を示している。課題の守備が安定感を取り戻しており、今節も粘り強い守備から試合のリズムを掴んでいきたい。
2連勝とようやくエンジンがかかってきた岡山は、ホームに岐阜を迎える。守備の安定性が備わってきたのは何より好材料で、攻撃面も良化の兆しを示す。3連勝を達成し、上位進出を実現したい。岐阜は一時の勢いが消え、苦戦が続く。得点は奪えているだけに、課題は守備面。持ち前のポゼッションスタイルをより生かすためにも、守備時におけるイージーミスを減らしたいところだ。
2連敗で再び降格圏に沈んだ群馬は、松本とホームで対戦。リーグ最多失点を喫する守備をいかに整備できるかが、再浮上を実現するためのカギとなるだろう。松本も15位と波に乗れない戦いが続く。前節も水戸に競り負けるなど、昨季まであった勝負強さをここまでは示せていない。松本スタイルの原点であるハードワークを取り戻し、好転のきっかけを掴めるか。
カルロス マジョール体制下での2試合目となる山口は、アウェイで金沢と対戦。初陣となった前節は岡山に0-1と敗れているだけに、まずは目に見える結果を掴みたいところ。金沢も18位と苦戦が続く。持ち前のプレッシングサッカーを貫き、山口のパスワークを封じることができれば、勝機はグッと高まるだろう。
熊本は池谷 友良監督の初陣となる。低迷するチームをいかに立て直していくのか。経験豊富な新監督の手腕に注目だ。その熊本をホームに迎える徳島も状態はいいとは言えない。前節は湘南に0-1と惜敗。得点力不足を露呈しているだけ、前線の選手たちの奮起が求められるだろう。
■各試合の見どころをチェック
福岡vs名古屋
水戸vs千葉
横浜FCvs山形
東京Vvs愛媛
湘南vs京都
金沢vs山口
岡山vs岐阜
徳島vs熊本
長崎vs町田
大分vs讃岐
群馬vs松本