1位の福岡から8位の愛媛まで勝点6差でひしめき合う混戦の明治安田生命J2リーグ。第18節は注目の上位対決が目白押しで、昇格戦線に大きな影響を及ぼす重要な週末となりそうだ。
首位の福岡はアウェイで千葉と対戦。前節、讃岐に快勝を収めた勢いをこの試合にも持ち込みたいところ。その試合でも先制ゴールを奪う、5月の月間MVPにもウェリントンのパフォーマンスが、今節も重要なカギを握りそうだ。千葉は前節、岡山に痛恨の逆転負け。不安定な戦いが続くなか、首位チーム相手にいかなるパフォーマンスを見せるのか。持ち前のアグレッシブなサッカーを貫き、打ち合いに持ち込めば、勝機は高まるかもしれない。
2位の横浜FCは、大分の本拠地に乗り込む。前節はイバの決勝ゴールで山口に勝利し、連敗を2でストップ。再び勢いに乗るためにも、今節も確実に結果を残したい。大分は4戦未勝利と勢いが停滞気味。内容は悪くないだけに、いかに結果につなげられるか。ゴール前の精度を高められるかが、ポイントとなるだろう。
東京Vvs名古屋も注目の一戦だ。6位の東京Vは3試合勝利がなく、一時の勢いが消えつつある。3位の名古屋も前節は金沢に惜敗。ともに巻き返しの一戦となる。堅守に定評のある東京Vに対し、名古屋はリーグトップの30得点をマークする攻撃力が売り。どちらのストロングポイントが勝るのか。“オリジナル10”の両者が、J2で初対戦するという意味でも、興味深いカードと言えそうだ。
4位の湘南は徳島とアウェイで激突。ここ2試合勝利がない湘南にとっては、上位を維持するためにも勝利こそが求められる。一方の徳島は前節、群馬を撃破し6試合ぶりに勝利を手にした。2試合連続ゴールとエースの渡 大生が再び調子を上げてきたのは好材料。アグレッシブに攻め込んでくる湘南の背後を突くサッカーで、勝機を掴みたい。
5位の長崎は熊本との九州対決。4戦負けなしと安定感を身に付けつつあり、接戦をものにする勝負強さも示し始めている。このまま上位に食らいつけるかどうか。今後の戦いに向けて重要な一戦となることは間違いない。熊本は2連敗で19位に低迷。前節は京都に3点を奪われての完敗を喫しており、守備の整備が求められる。
愛媛はホームに岐阜を迎える。前節は河原 和寿のゴールで町田に逆転勝ち。頼れるチームリーダーが調子を上げているのはポジティブな要素であり、その勢いをかって上位争いへと名乗りを上げたい。岐阜は3試合連続引き分け中と、勝ち切れない戦いが続く。前節は先制しながら追いつかれ、山形とドロー。ポゼッションスタイルが確立されるなか、守備におけるリスクマネジメントの徹底が、勝利を手にするために求められるだろう。
山形と群馬も興味深い。前者は7戦無敗、後者もここ5試合で3勝と調子を上げている。守備の安定感を示す山形に対し、群馬は攻撃陣が好調。僅差なら山形、打ち合いとなれば群馬に分があるかもしれない。
なかなか調子が上がらない松本は、水戸とホームで対戦。前節は終了間際の失点で東京Vと引き分けた。浮上のチャンスを逃しただけに、今節は確実に勝点3を掴みたい。水戸は10戦負けなしと絶好調。現在10位だが、さらなる上位進出も十分に視界に入っている。懸念材料は松本から期限付き移籍中の前田 大然がこの試合に出場できないこと。チームを牽引するこのストライカーの不在がどう響くのか。水戸にとっては正念場の一戦となりそうだ。
同じく10試合負けがない京都は町田をホームに迎える。序盤のつまづきが響き、12位と中位に留まるが、試合を重ねるなかで安定感を高めている。得点を量産するケヴィン オリスが、今節も爆発すれば、勝利は自ずと近づくはずだ。町田は勝ち負けを繰り返す不安定な戦いが続く。前節は愛媛に逆転負け。持ち前のハードワークを取り戻し、復調のきっかけを掴みたい。
ともに下位に沈む讃岐と金沢は巻き返しがテーマに。とりわけ11試合勝利がない讃岐は、怪我人続出で、さらに厳しい状況に追い込まれている。この苦境をいかに乗り越えるのか。チームの総合力が問われるだろう。
最下位に沈む山口は、新たに就任したカルロス マジョール監督の初陣となる。山口の攻撃スタイルにいかに変化を加えてくるのか。その采配に大いに注目だ。岡山は3戦負けなしと状態を上げている。現在16位ながら、勝てば中位浮上の可能性も。地力を備えているだけに、今節も勝利を収めれば、勢いは一気に加速していくかもしれない。
■試合データ
千葉vs福岡
大分vs横浜FC
東京Vvs名古屋
徳島vs湘南
山形vs群馬
松本vs水戸
讃岐vs金沢
京都vs町田
山口vs岡山
愛媛vs岐阜
長崎vs熊本