7連勝で暫定首位に浮上した柏は、今節、4位の浦和との大一番を迎える。この優勝候補との一戦に勝利できれば、いよいよその実力は本物だろう。躍進を支える守備の安定に加え、攻撃面も試合を重ねるごとに良化している。ポゼッションで勝る浦和が支配する展開が予想されるが、ハイプレスで相手のパス回しを封じられれば、柏のペースとなる。浦和は、そのプレッシャーをいかにかいくぐれるかがポイントに。ACLで8強に進出した勢いをかって、この上位争いでもアグレッシブなサッカーを仕掛けたい。
2位のＧ大阪はアウェイで磐田と対戦。現在6試合負けがなく、ここ2試合はともに完封勝利と勢いを増している。リーグ最少9失点の堅守に加え、リーグ2位の26ゴールも記録。攻守に安定した戦いを続けるなか、負傷離脱していた今野 泰幸の復帰も濃厚。万全の陣容で今節を迎えることとなりそうだ。逆に磐田は5試合未勝利と状態はいいとは言えない。今節も押し込まれる展開が予想されるなか、守備組織をいかに保てるかが、ポイントとなるだろう。粘り強く対応し、少ないチャンスを確実に射止めたい。
3位のＣ大阪は、ホームに新潟を迎える。安定した守備組織に加え、試合を重ねるごとに攻撃面も機能し始めている。山村 和也、杉本 健勇ら前線のタレントが状態を上げているのは好材料で、さらなる上昇も可能だろう。17位に沈む新潟は、呂比須 ワグナー体制での3戦目となる。初陣は札幌に勝利したものの、前節は仙台に逆転負け。守備面の成果は見えているだけに、いかに得点を奪えるか。攻撃陣の奮起が求められる。
横浜FMvs川崎Ｆの神奈川ダービーも、注目のカードとなる。3戦負けなしの前者に対し、後者は3連勝中。ともに調子を上げているなかで迎えるライバル対決は、質の高い一戦が期待できる。横浜FMの堅守を、川崎Ｆの攻撃陣がいかにこじ開けていくのか。試合の焦点はその一点に尽きるだろう。
石井 正忠監督の退任を発表した鹿島は、大岩 剛監督の初陣となる。このドラスティックな決断が、昨季王者を好転に導くのか。注目の一戦となることは間違いない。対するは、こちらも苦戦が続く広島。徐々に復調の兆しを見せているものの、劇的な改善には至っていない。苦手とする鹿島相手に勝利できれば、一気に勢いに乗っていく可能性もあるだろう。
同じく、監督交代を発表した大宮は、伊藤 彰体制下でのリーグ戦の初戦となる。水曜日に行われたルヴァンカップでは、すでに勝利を挙げており、このリーグ戦にも勢いを持ち込みたいところだ。対戦相手の鳥栖は、前節札幌に競り勝ち、状態を上げている。ここまで連勝がないだけに、そのテーマをクリアし、上位進出を実現したい。
7試合勝利から見放されている清水は、ホームにFC東京を迎える。勝ち切れない試合が続くなか、前節は横浜FMに完敗。調子はさらに下降している。ただし、水曜日に行われたルヴァンカップでは、今節対戦するFC東京に2-1で勝利。その良いイメージを備えて、この試合に臨みたいところだ。FC東京はここ3試合勝利がなく、状態はいいとは言えない。前節はリードを守り切れず、下位に沈む甲府と引き分けた。リードを守り切れない戦いが続いているだけに、とりわけ終盤の試合運びに細心の注意を払いたいところだ。
3連敗中の札幌は、ホームで神戸と対戦。粘り強く勝点を積み重ねてきたが、ここへきて失速気味。今節敗れれば、降格圏に沈む可能性もあるだけに、得意のホームゲームで目に見える結果を手にしたい。神戸も開幕当初の勢いに陰りが見え、中位に留まる。前節もＣ大阪に競り負け、再浮上の兆しを見出せなかった。この苦境をいかに乗り越えていくのか。ネルシーニョ監督の采配力が問われてくるだろう。
前節、4試合ぶりの勝利を挙げた仙台は、4試合勝利から見放される甲府をホームに迎える。苦境から脱した前者に対し、後者は嫌な流れを断ち切れないでいる。注目は甲府のウイルソン。昨季まで在籍した古巣相手にいかなるパフォーマンスを見せるのか。このストライカーの出来が、勝敗を分かつポイントとなりそうだ。
■各試合の見どころをチェック
札幌vs神戸
清水vsFC東京
広島vs鹿島
仙台vs甲府
磐田vsＧ大阪
Ｃ大阪vs新潟
大宮vs鳥栖
横浜FMvs川崎Ｆ
柏vs浦和
