混戦が続く明治安田生命Ｊ２リーグは、昨季Ｊ１の3チームを、横浜FC、長崎、東京Ｖらが追いかける構図に。1位から8位まで勝点6差に詰まっており、節ごとに順位が入れ替わる状況となっている。
3連勝で首位に浮上した名古屋は、ホームに金沢を迎える。前節は、シモビッチの2ゴールで横浜FCに逆転勝ち。勝負強さは蘇ってきたが、あっさりと先制点を許すなど、安定した試合運びは実現できていない。首位を堅持するためにも改善したいポイントだろう。対する金沢は4試合勝利がなく19位に沈む。ここ2試合で9失点と、守備が崩壊。攻撃力に定評のある名古屋相手に、どれだけ耐えることができるか。粘り強く対抗し、一瞬の隙を突く戦いに勝機を見出したい。
2位の福岡はホームで讃岐と対戦。前節は群馬に完敗を喫し、連勝が4でストップ。隙を見せた守備陣の修正を図りたい。讃岐は10試合勝利がなく、21位に低迷。前線に質の高い選手が揃っているだけに、素早いカウンターで福岡守備陣にプレッシャーをかけたいところだ。
湘南vs長崎は、注目の上位対決となった。ともにハードワークとアグレッシブなスタイルが売りの両者の激突は、エキサイティングな一戦になることが予想される。エースのファンマが出場停止の長崎には不安要素があるものの、代わって出場する選手のパフォーマンスが重要なポイントとなるだろう。
2連敗と調子が下降気味の横浜FCはホームで山口と対戦。中盤の要である佐藤 謙介が出場停止と台所事情は苦しいが、上位に踏み止まるためにも3連敗は許されない。ここ2試合で4失点と守備組織が崩れつつあるだけに、再び堅守を取り戻したい。山口は上野 展裕監督が解任され、前節から猿澤 真治アカデミーダイレクターが暫定的に指揮を執る。しかし、町田に0-1と敗れ、好転のきっかけを掴めなかった。苦しい戦が続く中、流れを変えられる救世主の台頭が求められるところだ。
松本vs東京Ｖも興味深い一戦となる。苦戦が続いていた松本は、前節、金沢に4-0と大勝。一方、開幕から好調を維持していた東京Ｖは現在2連敗中と、調子と落としつつある。ともに堅守に自信を持つ両者の一戦は、1点を争う緊迫した戦いとなるだろう。
7位の大分は水戸の本拠地に乗り込む。ここ3試合勝ちがないだけに、上位争いに踏みとどまるためにも勝点3を手にしたい。勝ち切れない戦いが続いていた水戸は、前節6試合ぶりの勝利を手にした。3ゴールを奪った攻撃面に手応えを掴みつつあるだけに、今節も攻撃的なスタイルで、相手を押し込めるか。
3連勝と好調の山形は、アウェイで岐阜と対戦。堅守速攻スタイルが上手く機能し、1点差をものにする勝負強さも生まれている。4連勝を実現し、上位進出を狙う。岐阜は5試合勝ちがなく、一時の勢いが失われている。ポゼッションスタイルは浸透しているが、ミスからの失点も増加。その課題を解消できないようだと、山形のカウンターの餌食となるかもしれない。
11位の千葉は連勝をかけて岡山と激突。勝ち負けを繰り返す不安定な戦いから脱却し、上位争いに名乗りを上げたい。岡山も状況は似ているかもしれない。調子に波があり、なかなか上昇気流に乗れていない。好転のきっかけを掴むのは果たしてどちらのチームか。
町田はホームに愛媛を迎える。前節は山口を1-0で下し、5試合ぶりに勝利を掴んだ。その良い流れを今節にもつなげたい。愛媛は3連勝の後に2連敗と、再び勢いに陰りが見えている。前節は千葉に4失点の完敗。得点力は高まっているだけに、本来備えているはずの守備の安定性を取り戻したいところだ。
3連勝と勢いに乗る群馬は、ホームに徳島を迎える。前節は首位の福岡を3-1と撃破。勝てなかった序盤戦の苦しい状況から完全に抜けだした。2ゴールを奪った殊勲の高井 和馬が今節も重要な役割を担うはずだ。徳島は4戦連続引き分けと、勝ち切れない状況が続く。再び上位に進出するためにも、なにより勝利が求められる。こちらも得点源の渡 大生がカギを握る存在となるだろう。
唯一、月曜日開催となるのが、熊本vs京都の一戦。9試合負けなしの京都に対し、熊本は2試合勝利から見放されている。勢いでは京都が上回るも、熊本も粘り強い守りから、鋭いカウンターで好機を生み出したい。ともに中位以下にとどまるなか、上昇を実現すべく勝点3を目指した激しいバトルが繰り広げられるはずだ。
■各試合の見どころをチェック
水戸vs大分
福岡vs讃岐
名古屋vs金沢
湘南vs長崎
横浜FCvs山口
岐阜vs山形
群馬vs徳島
岡山vs千葉
松本vs東京Ｖ
町田vs愛媛
熊本vs京都
