節ごとに首位の顔ぶれが入れ替わる混戦模様の明治安田生命J2リーグ。5月終了時点で首位に立ったのは、大本命の名古屋だ。
開幕から勝ち負けを繰り返す不安定な戦いを続けていたものの、ここへきて3連勝とようやく本来の実力を示し始めている。もっともその戦いはまだ盤石とは言えず、5月の6試合では3勝2分1敗と、他チームを圧倒できなかった。第13節では大分に1-4と完敗を喫するなど、守備面の課題はクリアされていない。ここまで20失点を喫している守備組織を整備できないようだと、今後も苦しい戦いが続くかもしれない。
第12節から4連勝を飾った福岡が名古屋に1ポイント差で2位につける。こちらは守備の安定が浮上の要因となったが、5連勝を狙った第16節で群馬に3失点の完敗。下位チーム相手にまさかの黒星を喫したように、名古屋と同様、安定感にはまだ欠けている。
3位に踏み止まる湘南も、勝ち負けを繰り返しており、上位争いを牽引する存在とはなれていない。もっとも上位3チームは、昨季のJ1チーム。混戦の中でも地力の差を見せつけていると言えるのかもしれない。
4月終了時点で首位に立っていた横浜FCは、その勢いに陰りが見えている。5月は2勝2分2敗と五分の成績に終わった。直近の2試合では、岡山、名古屋に競り負けるなど、勝負弱さを露呈。このまま上位争いに踏み止まれるか。正念場の6月となりそうだ。
長崎、東京V、大分といった他の上位のチームも思うように勝点を積み上げられないでいるなか、ジワリと浮上してきたのが山形。6月は3勝3分と負けなしで乗り切った。引き分けが多かったものの、ここへきて勝ち切れる力を身に付けており、今後、上位争いに名乗りを上げていきそうだ。
9位の徳島は、開幕当初の勢いが消え、10位の愛媛も3連勝のあとに2連敗と、浮上のチャンスを逸している。苦しい戦いが続くのは12位の松本。5月はわずかに1勝と、結果を出せなかった。もっとも直近の第16節では金沢に4-0と快勝。浮上のきっかけを掴めるか否か。その真価は6月の戦いで証明されるだろう。
躍進の予感を漂わせていた岐阜は、急激に失速。5月は1勝3分2敗の成績で14位に転落した。京都は負けない戦いを続けているものの、勝ち切るための一押しが足りず、なかなか上昇できずにいる。
5月に健闘を見せたのは群馬だ。開幕から未勝利が続いていたものの、第12節に初勝利を挙げると、第14節からは3連勝を実現。降格圏を抜け出し、20位と順位を上げている。山口、讃岐の下位チームだけではなく、上位の福岡も撃破しているだけに、その勢いはフロックでは片づけられないだろう。
降格圏に沈む讃岐と山口は、光明を見いだせないでいる。山口は5月23日に上野 展裕監督の解任を発表。この決断は果たして奏功するのか。6月の反攻を期待したい。