今節からゴールデンウィークの3連戦がスタートする。この過密日程をいかに乗り切るかが、各チームにとっての重要なテーマとなる。
前節、首位に再浮上した東京Vは福岡とのアウェイゲームに挑む。昨季のJ1チーム相手にその実力が通用するかどうか。試金石の一戦となるだろう。首位を走る要因となっている堅守に加え、アラン ピニェイロを軸とした攻撃も迫力を増しており、攻守に渡る高い組織性を武器に、首位堅持を狙う。福岡はここ5試合でわずかに1勝と思い通りに勝点を積み上げられないでいるが、エース、ウェリントンが調子を上げているのは好材料。勝てば勝点で東京Vに並ぶだけに、上位進出を目指したアグレッシブな戦いを披露するはずだ。
2位に浮上した横浜FCは熊本とアウェイで対戦。前節は千葉に4-0の快勝と、リーグ最少失点の守りに加え、攻撃力も高まりつつある。得点源のイバだけでなく、野村 直輝ら中盤の選手もゴールを奪う力を備える。攻守に隙がなく、今節も安定した戦いを披露するだろう。熊本は2連勝と勢いに乗る。序盤のつまづきが影響し17位に沈んでいるものの、ホームで3連勝を達成し、追撃の狼煙を上げたいところだ。
2試合勝利のない名古屋は群馬とのアウェイゲーム。前節は山口に完封負けを喫しており、機能しなかった攻撃面の修正が求められる。最下位に沈む群馬は、今季初勝利を目指した戦いに。リーグ屈指の戦力を備える名古屋が相手だが、上位撃破を実現し、好転のきっかけをつかみたい。
徳島は千葉とのアウェイゲームに挑む。対戦相手によって柔軟な戦いを見せるなか、今節も千葉のハイプレスをかいくぐるための戦略を打ってくるだろう。千葉とすれば徳島の策略にいかに対抗できるかがカギとなる。どちらのスタイルが上回るのか。緊迫感に満ちた心理戦となりそうだ。
2試合勝ち星から見放される湘南は、アウェイで岡山と対戦。失点が増えつつあるのが気がかりな点で、今節は守備の要であるアンドレ バイアを出場停止で欠く。苦しい状況のなかでいかに立て直してくるのか。曺 貴裁監督の手腕が問われるだろう。岡山は前節4試合ぶりの勝利を挙げ、上昇基調にある。アグレッシブな戦いを持ち味とするチーム同士の一戦は、互いに一歩も引かない激しい戦いが繰り広げられそうだ。
2連勝の大分は京都をホームに迎える。ポゼッションスタイルが着実に浸透する一方で、課題は決定力不足。いかにチャンスをモノにできるかどうか。前線の選手のパフォーマンスが試合のカギを握る。京都は“FW”田中 マルクス闘莉王が絶好調。2試合で4得点を挙げるこの“ストライカー”が、今節も試合を大いに盛り上げてくれそうだ。
2試合勝利がない松本は正念場を迎えている。今節はホームで讃岐と対戦。持ち前のハードワークを取り戻し、多くのファン・サポーターが詰めかけることが予想されるホームスタジアムで、意地を見せたいところ。対する讃岐はわずか1勝で21位に沈む。得点は取れているだけに、課題は守備力。アグレッシブな松本の攻撃に粘り強く対抗したい。
前節、名古屋を撃破した山口はホームに長崎を迎える。得意のパスサッカーに加え、守備も安定性を高めており徐々に状態を上げている。連勝を達成し、上位進出の足掛かりを掴めるか。長崎は3連敗と苦しい状況にある。3試合連続完封負けと攻撃陣に元気がない。選手の入れ替えも含め、テコ入れを図りたいところだ。
愛媛vs山形は因縁の一戦と言えそうだ。山形を率いる木山 隆之監督は昨季まで愛媛の監督だった。愛媛から山形に移籍した選手も多く、元チームメイトによるマッチアップも繰り広げられるだろう。ともに堅い守りとハードワークが武器。お互いの特徴を知り合っていることも含め、1点を争う緊迫した戦いが予想される。
ともに中位に留まる水戸と町田の一戦は、上位進出をかけた重要な戦いに。前節はともに勝利を挙げられなかっただけに、欲しいのは何よりも勝点3だろう。互いの意地がぶつかり合う激しい戦い繰り広げられそうだ。
4戦負けなしと好調の岐阜は金沢とホームで対戦。ここ4試合で9得点と大木 武監督が標榜するポゼッションスタイルが、ゴールという形に結びついている。今節も質の高いパス回しで相手を押し込む展開が予想される。金沢は2連勝のあとに2連敗と、再び勢いを失っている。ここまでわずか6得点と結果を出せていない攻撃陣の奮起が、何よりも求められるだろう。
■各試合の見どころをチェック
岡山vs湘南
山口vs長崎
愛媛vs山形
水戸vs町田
福岡vs東京V
大分vs京都
千葉vs徳島
熊本vs横浜FC
松本vs讃岐
岐阜vs金沢
群馬vs名古屋