AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の日程を考慮し、今節は3試合が金曜日に開催される。
昨季王者の鹿島は、開幕2連勝と好調の横浜FMをホームに迎える。前節甲府に勝利を収めたものの、ACLも含めて苦戦が続く鹿島。とりわけバージョンアップを果たした攻撃陣に元気がなく、彼らの奮起が復調のためには求められる。一方の横浜FMは2試合で6得点と攻撃力を示している。もっとも、今節はチームをリードする齋藤 学が怪我のために欠場が濃厚。エースを欠くなか、鹿島の堅守をいかに崩していくのかが、この試合の焦点となるだろう。
柏をホームに迎える川崎Fは、前節はリードを守り切れずに鳥栖に引き分け。新スタイルがまだまだ機能せず、しばらくは苦しい戦いが続くだろう。対する柏は前節、G大阪に完敗。相手の鋭いプレスをかいくぐれずに、攻撃陣が沈黙した。負傷により前節ピッチに立てなかったハモン ロペスは今節も欠場が濃厚と不安を抱えての一戦となる。とはいえ、ともに攻撃力が持ち味のチーム。激しい打ち合いが展開されるかもしれない。
C大阪に快勝を収めた浦和は、甲府をホームに迎える。2試合で3得点と好調のラファエル シルバをはじめ、興梠 慎三ら他の攻撃陣も調子を上げている。エンジンがかかりつつあるだけに、今節も浦和らしいアグレッシブな戦いを披露するだろう。甲府は結果こそ出ていないものの、吉田 達磨監督が目指す新スタイルが徐々に浸透しつつある。堅守に加え、ボールを保持する時間も増えており、状態は悪くない。総合力では浦和が優位と見られるが、甲府の狙いが上手くはまれば、番狂わせを演じる可能性も決して小さくないだろう。
11日の土曜日は、6試合が開催。忘れてならないのは仙台vs神戸の一戦だ。東日本大震災から6年、復興のシンボルとして地域を支えてきた仙台が、「3.11」に地元のファンの前でいかなるパフォーマンスを示すのか。開幕2連勝と波に乗るなか、気持ちのこもったサッカーで3連勝を実現したい。一方の神戸も2連勝中。ともに堅い守りに定評があるだけに、1点を争う好勝負が見られそうだ。
同じく2連勝中のFC東京は、アウェイでG大阪と対戦。2試合ともに完封勝利と安定感は備わるものの、期待された攻撃陣はまだ全開とはなっていない。果たしてエース大久保 嘉人に、移籍後初ゴールは生まれるか。G大阪は前節、積極的な守備が機能し、柏に完勝。今節も同様のスタイルで臨むことが予想されるなか、アデミウソン、長沢 駿の2トップの決定力が勝敗を分けるポイントとなりそうだ。
前節、広島を撃破し、J1復帰後初勝利を挙げた清水は、新潟の本拠地に乗り込む。粘り強い守備は機能しているだけに、課題は得点力。鄭 大世を軸としたスピーディなサッカーを実現したい。新潟はこれがホーム開幕戦。前節は神戸に競り負けたものの、ベテラン田中 達也が2試合連続ゴールを奪うなど好調を維持する。堅守を軸としつつ、この田中や新加入のFWホニのスピードを生かしたカウンターで勝機を窺いたい。
まだ白星がない鳥栖は、同じく結果を出せていない広島とホームで対戦。中盤のハードワークを軸としつつ、前線の決定力にかけるサッカーでカギを握るのは、やはり豊田 陽平。いまだ無得点のこのエースの爆発が待たれるところだ。一方の広島も、攻撃が沈黙気味。2試合で流れの中から奪った得点はなく、持ち前のコンビネーションサッカーが機能していない。得意とする鳥栖から、今季初勝利を掴みたい。
開幕2連敗の札幌はホームにC大阪を迎える。2試合で0得点4失点と、いきなりJ1の壁に苦しんでいる札幌だが、昨季同じJ2だったC大阪から勝利を掴み、勢いを得たいところ。対するC大阪では、怪我で離脱していた新加入の清武 弘嗣がついにピッチに立ちそうだ。同じくJ1の舞台でまだ結果を出せていないC大阪だが、頼れるアタッカーの復帰を、好転のきっかけとしたい。
同じく苦戦を強いられるチーム同士の一戦となったのが大宮vs磐田。両チームともに2試合無得点と攻撃陣に元気がない。大前 元紀と中村 俊輔。“新10番”のパフォーマンスが、苦境脱却のファクターとなるだろう。
■各試合の見どころをチェック
鹿島vs横浜FM
川崎Fvs柏
浦和vs甲府
札幌vsC大阪
大宮vs磐田
鳥栖vs広島
新潟vs清水
仙台vs神戸
G大阪vsFC東京