J1リーグに続き、26日に明治安田生命J2リーグが幕を開ける。多くのチームに変化が生まれた今季、注目はなんといっても風間 八宏監督を招聘した名古屋の戦いぶりだろう。
初のJ2降格を受け生まれ変わろうとする今季は、広島から佐藤 寿人を獲得したのをはじめ、多くの即戦力を補強。風間監督が標榜する攻撃スタイルをいかに体現していくのか。開幕戦でその方向性が見えてきそうだ。対する岡山は、3年目を迎える長澤 徹監督のもと、継続路線で進む。昨季のチームを牽引した矢島 慎也らが抜けたものの、安定した守備組織は健在。攻撃の名古屋か、守りの岡山か。対照的な両者の対戦は、激戦必至の好勝負となりそうだ。
同じく降格組の福岡はホームで大分との九州ダービー。岩下 敬輔、山瀬 功治ら実力者を補強し、戦力的にはJ1で戦った昨季を上回る。攻撃性を高め、1年でのJ1復帰を狙う。逆にJ3から這い上がって来た大分はさらなるステップアップを狙うシーズンに。目立った補強はなかったものの、2年目となる片野坂体制のもと、組織的なサッカーで福岡に挑む。
湘南は水戸の本拠地に乗り込む。降格により昨季の主力が抜けたもの、曺 貴裁監督が留任したのはなにより大きい。持ち前の縦に速いサッカーは健在で、今季もアグレッシブな戦いを披露していくはずだ。一方、堅守速攻スタイルの水戸でカギを握るのは新加入の橋本 晃司。このアタッカーが輝きを放てば、そのサッカーの威力は大いに高まるはずだ。
昨季、惜しくも昇格を逃した松本は、再挑戦のシーズンとなる。安定した守備組織はそのままに、ボールを保持する戦い方にも手応えが生まれつつある。その組織力はリーグ屈指で、今季も昇格争いを牽引するクラブの一つであることは間違いないだろう。
対する横浜FCで注目は何といっても三浦 知良。試合当日50歳の誕生日を迎える“キングカズ”は、自らを祝うバースデーゴールを決めることができるのか。そのパフォーマンスからは目が離せない。
ともに戦力が入れ替わった長崎と群馬は、この開幕戦で新たなチームの戦いに手ごたえをつかみたいところ。目に見える結果を手にし、新シーズンに弾みをつけるのはどちらのチームか。熊本vs長崎は、ともに守備組織に自信を持つチーム同士の一戦に。その堅い守りを打ち破るアタッカー陣のパフォーマンスがカギを握りそうだ。
昨季、躍進を遂げた町田はフアン エスナイデル新監督を迎えた千葉を迎え撃つ。前線からのプレスとショートカウンターを狙うスタイルは、両者に共通しており、攻守が目まぐるしく動くエキサイティングなサッカーが展開されそうだ。岐阜vs山口は、ともに攻撃スタイルが特徴のチーム同士の一戦に。大木 武監督を迎え新たな可能性を探る前者に対し、継続路線の山口は昨季の戦いで得た手ごたえを今季につなげたい。どちらの攻撃力が勝るのか、興味深い一戦となるだろう。
布部 陽功新監督を迎えた京都と、木山 隆之新監督が就任した山形。ともにJ1経験のある両者の一戦は、大きな発見が生まれる戦いとなりそうだ。とりわけ田中 マルクス闘莉王が加わった京都は、戦力値も大幅に高まっており、J1復帰への本気度を示している。個性的なタレントをいかに束ねていくのか。新監督の手腕に注目だ。
こちらも新監督対決となるのが徳島vs東京Vの一戦。いずれもスペイン人指揮官を招聘し、新スタイルの構築を目指している。ショートパスをつなぐスペインらしいサッカーが展開されることが予想されるなか、求められるのは組織のクオリティ。新監督の目指すサッカーを体現するのはどちらのチームか。
愛媛と金沢の一戦も新監督対決となる。“オシムイズム”を継承する間瀬 秀一監督が就任した前者か。経験豊富な柳下 正明監督が指揮を執る後者か。ともにアグレッシブなサッカーを標榜するだけに、スピーディかつ激しい戦いが繰り広げられそうだ。
■各試合の見どころをチェック
福岡vs大分
長崎vs群馬
熊本vs讃岐
水戸vs湘南
町田vs千葉
横浜FCvs松本
名古屋vs岡山
岐阜vs山口
京都vs山形
徳島vs東京V
愛媛vs金沢