1月24日より行われる「2017Jリーグ アジアチャレンジ inタイ インターリーグカップ」は、日・タイ修好130周年記念事業として、今年初めて開催される大会です。
Jリーグから鹿島アントラーズと横浜F・マリノス、タイからはバンコク・ユナイテッドとスパンブリーFCが参加して、クラブ単位ではなくお互いの国のプライドをかけて、タイトルを争うことになります。
今大会の開催の背景には、Jリーグをアジアの国々にアピールしていきたいという狙いがあります。同じアジアの仲間として、世界的にも稀にみる急速な発展を遂げたJリーグにもっと注目していただき、交流を活発にしていけば、アジアのサッカーの発展につながっていくはずです。
なぜタイで開催するのかと言えば、以前よりも減ったとはいえ、タイリーグには日本人選手が数多くプレーしており、逆にタイからも何人かの選手が日本に来てプレーしています。その交流を個人だけではなく、チーム単位で実現したいという想いに加え、治安や気候も含め、この時期にサッカーを行なうのに適した国だという判断もあります。
また近年のタイリーグは着実に力をつけており、観客数、事業規模共にアセアンではトップのリーグに発展しています。日本のチームにとってもタイのチームにとっても、シーズン開幕前に力のあるチームと試合をすることによって、新シーズンに向けての強化につなげられるというメリットもあると考えています。
実際に今回参加するバンコク・ユナイテッドとスパンブリーFCには代表選手も在籍しており、国内では強豪クラブとして認知されています。とりわけバンコク・ユナイテッドは昨季のリーグ戦で2位となり、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のプレーオフ予選2回戦に出場します。この試合に勝てば、本戦出場をかけてガンバ大阪と対戦することになります。その意味で、日本のクラブと対戦できる今大会は、彼らにとって貴重な強化の場となるはずです。
一方で、鹿島もACLでタイのムアントン・ユナイテッドと同組となりました。同じ国のチームと対戦できることに加え、移動や環境といった側面でも、今大会は良いシミュレーションの場となると思います。
お互いにシーズン開幕前のタイミングですから、様々なことを試してくるはずです。移籍してきた選手や若手にとっては、アピールの場となるでしょう。監督の立場としても、単なる練習試合ではなく、より本番に近い緊張感のある試合のなかで、新戦力を見極める重要な機会となるはずです。
特に主力が大幅に入れ替わった横浜FMにとっては、新シーズンに向けた強化の場として、とても有意義な大会になるのではないでしょうか。アウェイという環境下で、より戦える選手を見出すことができるのか。他のクラブも同様に新たなチームの骨格が浮かび上がるであろう、非常に興味深い大会となるはずです。
クラブワールドカップで2位となった鹿島や、強豪クラブとして認知されている横浜FMと対戦できることはタイのチームにとっても大きなメリットなはずだし、温かい環境で、異なるスタイルを備えるタイのチームと対戦できるJクラブにとっても、得るものは大きいでしょう。
1月17日にバンコクで開催した大会発表記者会見では、40社以上のタイメディアが訪れ、大会への注目の高さが伺えました。今大会はタイ国内でテレビ中継もされるため、緊張感と刺激に満ちた戦いとなるはずです。我々としてはこの大会を継続して行なっていきたいという考えもあるなか、第1回大会ではぜひとも良い戦いを期待したいですし、来年からは出場したいと手を挙げてくれるチームが増えてくれればいいですね。
やはり一度だけでなく、継続して行なっていくことに意義があります。日本にとっても、タイにとってもメリットのあるものだった。そういった成功を得られるような大会になることを期待しています。