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栃木との熾烈な昇格争いを制した大分が1年でJ2復帰 U-23チームの参戦は育成の大きなメリットに【明治安田J3:Jリーグ原 博実副理事長 総括】

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2016年12月26日(月) 16:32

栃木との熾烈な昇格争いを制した大分が1年でJ2復帰 U-23チームの参戦は育成の大きなメリットに【明治安田J3:Jリーグ原 博実副理事長 総括】

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栃木との熾烈な昇格争いを制した大分が1年でJ2復帰 U-23チームの参戦は育成の大きなメリットに【明治安田J3:Jリーグ原 博実副理事長 総括】
第29節で栃木を抜いて首位に立ち、逆転でJ3優勝を決めた大分。1年でのJ2復帰を果たした

大分と栃木による激しい昇格争いは、最後に力を示した大分の優勝によって決着を見ました。

もともと大分は、西川 周作、清武 弘嗣、金崎 夢生、そして森重 真人といった今の日本代表の主軸となっているタレントを数多く輩出していたチーム。そう言った育成型クラブが1年でJ2に戻ってきたことは、個人的にも嬉しいことだと感じています。

今季からチームを指揮した片野坂 知宏監督は、監督経験がないなかで、上手くチームをマネージメントしていたと感じます。結果を出せない時期もありましたが、試行錯誤を繰り返し、最終的にチームを一つにまとめ上げたその手腕は、称えられるべきものだと思います。

一時は圧倒的な強さを見せた栃木であったが、終盤に失速。土壇場で大分に首位の座を譲ってしまった
一時は圧倒的な強さを見せた栃木であったが、終盤に失速。土壇場で大分に首位の座を譲ってしまった

逆に最後に力尽きた栃木にとっては、悔しいシーズンとなってしまいました。一時期は首位を独走し、早い段階で昇格を決めるかと思われましたが、怪我人の影響もあって、最後に失速してしまいました。金沢との入れ替え戦では、もはやパワーが残っていなかったように感じられ、改めてシーズンを通して戦いに抜くことの難しさを感じた1年となったのではないでしょうか。

今季のJ3では新たな試みとして、FC東京、G大阪、C大阪と3つのクラブからU-23チームが参戦しました。節ごとにメンバーが変わるために、対戦チームにとってはやりづらさもあったと思われますが、なかなか試合に出られない若手が経験を積むという意味では、非常に大きな成果を上げたと思っています。

今年行われたアンダーカテゴリーの代表のアジア予選でも、J3に出場していた選手たちが何人もいました。もちろんそれだけではありませんが、J3に出ることで試合勘を保てたことも、予選を突破できたひとつの要因となったと考えます。

話題を振りまいたFC東京の中学生、久保 建英をはじめ、より早い段階で高いレベルを経験させることによって、成長度合いが早まるのは間違いありません。J3とはいえ、大人を相手にした試合ができるのは、間違いなく育成におけるメリットとなります。

久保(左)や平川(右)といった東京五輪世代もJ3の舞台に。U-23のJ3参戦でプロとユースの垣根がなくなるメリットも
久保(左)や平川(右)といった東京五輪世代もJ3の舞台に。U-23のJ3参戦でプロとユースの垣根がなくなるメリットも

あるいは、こうして実戦の場を作り出すことで、今まで大学進学を選んでいた選手たちが、Jリーグ入りを目指す流れが生まれるかもしれません。またプロとユースの垣根がなくなることもメリットの一つで、FC東京はこのU-23があるために、カテゴリー間の選手の行き来が増え、選手だけではなくチーム全体もたくましくなったと言います。普段からより高いレベルでトレーニングさせ、ユースに戻って試合をした時は、明らかに違いがみられると言います。クラブユース選手権、Jユースカップで2冠を達成したのも、U-23チームの存在があったことが影響しているでしょう。

これまではたとえ良い選手であっても、トップに上がった後に試合に出られず、そのままフェードアウトしてしまうケースも少なくありませんでした。ところがこのU-23チームがあることで、そうした問題は解消されていくでしょうし、よりトップチームへと吸収しやすくなっていくはずです。

若い選手に真剣勝負の場をいかに提供するかが、これまでのテーマでしたが、U-23チームのJ3参戦は、その課題にひとつの回答を示したと言えるでしょう。この試みをより機能させていていくために、どうしていくべきか。今年をサンプルに、より良い仕組みを作っていきたいと考えています。

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