12月1日の練習は非公開練習となった。昨年7月から指揮を執る石井 正忠監督は、就任以来ずっと練習を公開することを貫いてきたが、初めてヴェールに包まれたなかで調整を行った。
関係者によると、練習の内容的にはセットプレーと紅白戦を行い、攻撃面での確認に多くの時間が割かれたようだ。浦和の堅守を、石井監督はどのように崩すプランを持ち、選手にどう伝えたのか注目されるが、キャプテンの小笠原 満男は「非公開なんで」と詳細は語ろうとはしなかった。
ただ、明確なのが、鹿島は攻めるしかない、ということだ。第1戦は、どちらのチームも失点を避けることが最優先されたが、0-1という結果に終わったことで逆転優勝のためには2得点以上での勝利が求められる。なにしろ浦和はリーグ戦34試合で33失点と堅い守備を誇った。第1戦の終盤でも、鹿島は浦和陣内に攻め入ったが決定的なチャンスはつくれずに終わっている。その相手から複数のゴールを奪うことは簡単ではないだろう。
ただ、心理面では第1戦よりも解放されている。条件的には、2-0でも2-1でも鹿島は優勝できるため、1失点は許されるからだ。ここから得られる余裕は、思った以上に大きい。
「1点やられてもいいくらいの気持ちで行けばいい」ボランチの永木 亮太は明確に攻撃の意思を打ちだしていた。
前半はシュート0本に終わった第1戦だったが、絶対に同じような展開にはならないだろう。鹿島が前に出れば、浦和もゴール前のチャンスが増える。第2戦はかなりエキサイティングな展開になるはずだ。
(取材・文・写真/田中 滋)