目の前の試合に勝つことだけを考えて戦うつもりだ。
浦和レッズは29日、鹿島アントラーズとの明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ決勝 第1戦で1-0の勝利を収めた。アウェイで挙げた貴重な勝ち星。しかし、森脇 良太は「第1戦のアドバンテージはそこまで大きくないのかなと思っています」と冷静だ。
30日に大原サッカー場で行われた練習は、試合翌日とあってクールダウン中心のメニュー。午前11時からスタートし、明るい雰囲気で鳥かごをメインに体を動かしたが、最後のジョギングを含めて約45分間の調整で選手たちはクラブハウスへと引き上げていった。
前日の激闘の結果、浦和は12月3日に行われる決戦 第2戦に向けて優位な状況となったが、森脇は「僕らが1点を取ったところで、相手はどのみち2点取らないといけないので、アドバンテージがそこまであるとは思っていません」と話す。
そこには、勝利という結果で両者の立ち位置の差をハッキリと示したいという思いもある。
「ひとつのプライドというか、レッズは年間勝点で1位ですし、もちろん鹿島は強い相手ですけど、勝点60に到達していないクラブにシャーレを掲げさせるわけにはいかない。その思いはどの選手も強い。ここで負けてしまえば、悔しいのは僕らが一番だと思っているので、そういう思いをしないためにもとにかくがんばろうという気持ちでファイトしています」
逆転でタイトルを取るためにゴールが必須の鹿島が、ラストマッチに向けて様々な策を用意してくる可能性はある。ただ、森脇は鹿島の勝負強さを認めながらも「相手がどういう形できても、その相手のさらに上を行く、そういうサッカーができるようになったのが強み」と話し、対処できると自信を覗かせる。
泣いても笑っても、あと1試合で命運は決する。年間勝点1位という名誉ある結果を明るい記憶として残すためにも、森脇はチームのために力を振り絞るつもりだ。
(取材・文・写真/神谷 正明)