明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ 決勝第1戦の前日。浦和レッズは今季の数々のリーグ戦と同じ練習内容で最終調整を行った。練習時間は午後の12時。この日の埼玉県は雲の切れ間から青空も覗いたが、冷たい風が吹いていた。それでも浦和の選手たちは練習開始直後のボール回しで楽しそうに声を上げるなど、リラックスした雰囲気を保ち続けた。
チームはパスワーク、ストレッチの後はハーフコートを使用した11対11のミニゲームを実施。実戦メニューではDF槙野 智章らが大きな声を発して仲間を鼓舞するなど、さすがに緊張感が漂ったが、これも幾多の決戦前と同じ所作だ。チャンピオンシップを前にして、浦和の選手たちには特に気負う素振りが見られなかった。
明日は、アウェーで第1戦を迎える。GKの西川 周作は、県立カシマサッカースタジアムの印象についてこう話す。
「カシマでのゲームは常に相手に攻められている印象があって、鹿島の勢いを感じて試合をしています。ただ、僕はその方が楽しいですし、乗っていけるところもあります。カシマスタジアムは(サンフレッチェ)広島在籍時代にリーグ優勝を決めた場所でもありますしね。また、決勝は2戦あるということで、チャンピオンシップのレギュレーションについては、もう一度皆で再確認しながら臨みたいと思います」
第2戦をホームの埼玉スタジアム2002で戦う浦和にとって、カシマサッカースタジアムでのゲームは2試合180分間の前半戦でしかない。そして年間勝点首位の立場で臨む浦和は、2戦すべてが同スコアでのドローでもタイトル獲得が決まる。引き分け狙いではなく、あくまでも勝利を目指すことを大前提として、GKの西川はこんな決意を口にした。
「とにかく2戦ともゼロで抑えられれば、僕らは間違いなくタイトルを獲れる。僕はゴールを守ることだけを考えたいです」
平常心を保ち、沈着冷静に戦う。これがアウェーでの第1戦に臨む、浦和のキーワードになる。
(取材・文・写真/島崎 英純)