昨日までの荒天が嘘のような晴天の元、チャンピオンシップ準決勝前日の練習は行われた。メニューはこれまでの疲労を考慮したのか軽めのもので、4チーム対抗のミニゲームなどが行われた。練習終わりにはいつもの円陣が作られ、風間 八宏監督の話で締められた。
そこで練習は終わるかと思われたが、そのまま選手たちだけになった円陣で青空ミーティングが行われた。いわゆるベテラン選手たちが指名され、それぞれに思いの丈を口にしたという。
喋った選手の一人である田坂 祐介は「死に物狂いでやるしかない。気持ちの部分が一番大事なんじゃないかと思ったので、そういうニュアンスのことを言いました」と振り返りつつ、「それだけ大事な試合だと思うし、ここの場に立つまで、みんなでやってきたので。ああやって確認するだけでも気持ちの盛り上がり方とかまとまり方が違うと思うし良かったのかなと思います」と振り返る。
発起人の一人である中村 憲剛は「90分、とにかくメンバーもそうですし、メンバーに入らなかった人もそうですし。ケガしてる人もそうですし、みんなでここまでたどり着いた。悔いのないように、まず明日。次に進めるように、90分集中してやっていこう」という話をしたという。
憲剛は「みんなわかってること」ではあると言う。ただ、それを円陣という形で場を設定して確認したことに意味があるのだと思う。
なお、練習場にはサポーターが持ち込んだ横断幕が掲出された。書かれてある文言は「頂点へ、同腹一心総力戦」というもの。心を一つにして、戦おうという気持ちを込めたのだという。
乗り越えられそうで乗り越えられなかった悔しい歴史を覆すことができるのかどうか。いよいよ、川崎Fが決戦の舞台を迎える。
(取材・文・写真/江藤高志)