日本代表は11日、県立カシマサッカースタジアムで行われたキリンチャレンジカップ2016でオマーン代表と戦い、4-0で勝利を収めました。
試合後の日本代表ハリルホジッチ監督のコメントです。
■ヴァイッド ハリルホジッチ監督
「勝ったが、完璧に満足して勝ったわけではない。ゲームを支配できたわけでもなかった。テクニックのミスがあったし、少し慌てた場面もあった。確かに多くのプレーヤーを変えたのでこういうことは起きるものだ。何人かはこのチャンスを生かしたし、何人かはこのチャンスを生かせなかった。多くの情報を得た試合だった。サウジアラビア戦はもっともっと難しくなるだろう」
――良い面と悪い面が出た試合だったが、オプションが増えたり、ベンチの層が厚くなった試合と言える?
「確かに良いことがたくさん見られたが、良いパフォーマンスの選手もいたし、まだまだ試合のリズムに付いていけない選手もいた。この試合からは多くの情報を得た。ただ、私にとってうれしくないのは、テクニックのミスが多かったということ。慌てた状況もあったと思うし、ボールが滑りすぎたこともあったかもしれない。もっともっと良いプレーをコントロールできなければいけなかった。みんなが次のサウジアラビア戦のことを考えければいけない。
ただ、3、4人変えてしまうと、ゲームの基準が崩れてしまう。試合のリズムにアジャストしていない選手もいた。それから、若い選手が今、責任を持てるかどうか。それについてはこれから疑問を抱いていかないといけない。つまり、良い面もあったし、良くない面もあったということだ。ただ、彼らのプレー態度、戦う姿勢は祝福したいと思う。オマーンにも正確にプレーしてくれてありがとうと言いたい。良いテストだったし、たくさんのことが見られたと思う」
――海外組や新しいメンバーを試したが、具体的な戦術でどんなことを求めた?
「戦術的に何か新しいことを得たわけではない。何人かの選手がまだまだトップパフォーマンスではないということが確認できた。やはり、試合数が足りないなと感じた。それから真司と長友の様子もこれから見なければいけない。もっと多くのことをテストをしたかったが、すべてはできない。たくさん新しい選手もいたし、みなさんも見たと思うが、最後には縦関係の2トップをやってみた。新しい選手を使って。
大迫は約1年、我々とはやっていなかったが、2点を取った。これはいいことだ。清武は所属クラブでプレー機会は少ないが、彼を信じてもいいというものを示した。丸山、永木、祐希に浅野、久保に齋藤もそうだ。新しいことを私たちは見ることができた。もしかしたら私は厳しすぎるかもしれないが、テクニックのミスに私は怒りを覚えた。A代表はもっとテクニックを使って、試合をコントロールしていかないといけない。
今回は若手も試したが、まだまだ自分たちのクラブで信頼されているわけではないので、彼らが表現できる場を私は提供したかった。本来であれば、4-0という結果は監督であれば、喜ばなければいけないのかもしれない。確かに祝福することが大事だ。ただ、足りないこともあったし、足りないことのディテールにはここでは入りたくない」
――クラブで出場機会が少ない本田選手の評価は?
「本田は試合のリズムが足りないということが確認できた。かなりの経験があり、ずっと存在感を出してきた。サウジアラビア戦がこれから控えているが、一番良いパフォーマンスの選手は誰なのかは、これから確認していかないといけない。特に長友と真司は様子をよく見ていきたい。前の合宿でも見られたが、9月からあまり良くない時期に来ている。9月より前はパフォーマンスがもっと良かったはずだ。キリンカップぐらいまではよかった。
例えば、長友が病気になってしまったり、真司も少しけがをしてしまったが、我々のトレーニングに集中するところで少し邪魔が入っている。しっかりと集中して、難しい試合だということを意識して。ただ、良い試合ができるんだぞということは忘れてはいけない。こういうゲームはしっかりとコントロールしないといけないと思う。他の誰を使うかはまだ分からないが、それはこれからしっかりと考えて決めていきたい」
――オマーン戦を受けて、選手の序列に変化は起きる?。
「私は現段階でより良い、強いチームを作ろうとしているだけだ。もちろん各自のパフォーマンスを見ていかなければいけないが、現段階で選手にはもっと良いパフォーマンスになってほしい。大事な選手を欠いてしまえば、そのあと交代させるのかというのが大事だ。ただ、キーとなる選手でも、交代で出る選手のパフォーマンスの方が高ければ、私は問題なくその選手を使う。それに関してはまったく問題を抱えていない
交代するときは、経験やメンタリティーのことも考えなければいけない。サウジアラビア戦は、もう一度ビデオでしっかりと確認したい。私は試合中はひとりの選手というよりは全体を見ているので、ビデオでしっかりと見直さなければいけない。各選手については、これからしっかりと分析して、誰をサウジアラビア戦で先発させるかを考えなければいけないと思う」
――大迫選手は得点力不足の中で彼の存在が今後もプラスになると納得している?
「私が就任してからずっと、良いアクションから点が取れる選手を探してきた。大迫は最初の頃、私と一緒に仕事をしていた。時間が経ってまた帰ってきてもらったわけだが、クラブで良いパフォーマンスではなくて、先発でも出ていなかった。ただ、ここ最近はずっと先発で出ている。クラブではたくさん点を取っているわけではない。クラブと今夜の役割はまったく違っていた。
合宿の最初から、ポジション移動について頭の中を切り替えてくれと話した。オフサイドで1点は取り消されたが、それがあれば3点取ったことになる。180センチぐらいある選手でこれができる選手はなかなかいない。こういったプレーを有効に使っていかないといけない。今回は2点取ったが、このポジションに良い候補が見つかったと思う。2点取ったからうれしいというのもあるが、私が要求したポジションを取ってくれたということもある。2、3回はもっと良いプレーができたはずのシチュエーションもあったが、今のところ彼はチームに多くをもたらしてくれる感じがする」