優勝へ向けてひた走る札幌だが、前節は下位に沈む北九州とスコアレスドロー。よもやの足踏みを強いられた首位チームは今節、ホームに水戸を迎える。
ここ3試合で2引き分けと勝ち切れない試合が増えつつあるが、一方で得点を与えないしたたかな戦いは健在。堅守が保たれている限り、大崩れは考えづらい。求められるは得点力。ここ3試合ゴールがないエース都倉 賢の爆発が期待される。対する水戸は前節山形に1-0と完封勝利。押し込まれながらも一瞬の隙を突く粘り強い戦いを、今節でも実現したいところだ。
注目カードは2位の松本と4位の岡山の上位対決だろう。2連勝中の松本に対し、岡山もここ4試合負けがなく状態を上げている。より勝利が必要なのは岡山だ。現在、松本との勝点6差。勝てばその差を3に詰められる一方で、敗れれば9ポイント差と状況は苦しくなる。自動昇格圏内の2位以内を目指す直接対決は、両チームの運命を左右する大一番となることは間違いない。
同じく自動昇格圏内を目指す3位のC大阪は岐阜とホームで対戦。前節は清水との上位対決でまさかの逆転負け。終盤での勝負弱さを露呈した格好で、ショックの大きい敗戦となった。今節は山口 蛍を日本代表の活動で欠くなか、よりチームとしての総合力が問われる一戦となる。下位に沈む岐阜から、確実に勝点3を得られるかどうか。押し込む展開が予想されるなか、前線の決定力が勝利を引き寄せるためのポイントとなりそうだ。
そのC大阪を撃破し、自動昇格への可能性をつないだ5位の清水は、7位の町田をホームに迎える。こちらも敗れれば、松本との勝点差が10に開く可能性があるだけに、是が非でも勝利が求められる。劇的な展開でC大阪に逆転勝利を収め、勢いは間違いなく備わっている。その良い流れを今節にもつなげたいところだが、町田も再び調子を上げており簡単な相手ではないだろう。もつれる展開に陥ると予測不能の結末が待ち受ける可能性もあるだけに、早い段階で先制点を奪い、試合を優位に進めたい。
プレーオフ進出争いも激しさを増している。6位に踏み止まる京都は、10位の千葉とアウェイで対戦。前節も引き分けに終わり5試合勝利から見放されている京都は、徐々に7以下との差を詰められている。千葉との勝点差は8ながら、敗れれば5ポイント差となり追いすがる機会を与えてしまいかねない。逆に千葉は、負ければ京都と11ポイント差となり、残り試合を考えれば逆転はほぼ不可能だろう。後のない状況で迎える今節は、高いモチベーションをもって臨んでくるはずだ。ともに地力を備えたチーム同士の一戦は、両者の勝利への執念がほとばしる激しい戦いとなることは間違いないだろう。
8位の横浜FCと9位の愛媛FCにとっても、京都に追いつくために負けられない一戦となる。横浜FCはホームで長崎と対戦。2連敗中と勢いが失われつつあるが、長崎も8戦未勝利と元気がない。ただし守りの堅さには定評があるだけに、横浜FCがゴールをこじ開けられない可能性もある。ここ2試合で無得点の攻撃陣の奮起こそが、何よりも求められてくるだろう。
愛媛は山形とのアウェイゲームに臨む。前節は横浜FCに3-0と完勝を収め、状態は右肩上がりにある。攻撃陣に勢いが生まれてきたのは好材料で、堅守も保たれている。逆転での昇格プレーオフ進出を目指しチームが一丸となっている印象で、調子の上がらない山形相手にも試合を優位に進めていきそうだ。
徳島vs讃岐の四国対決も注目の一戦だ。前者はプレーオフ進出にわずかに可能性を残しており、後者は残留争いを強いられる。置かれた状況は異なるものの、同じ四国のライバルチームに負けられない想いは同じだ。徳島が押し込む展開が予想されるなか、讃岐は堅守速攻で勝機を窺うだろう。意地とプライドがぶつかり合う、白熱の攻防が期待できそうだ。
熊本と群馬はともに前節勝利を挙げて、浮上を実現した者同士の一戦。さらなる上昇を目指したアグレッシブな戦いが予想される。
21位の金沢は山口とホームで対戦。復調の兆しを見せている金沢はその流れを保ち、残留圏からの脱出を狙う。22位の北九州は東京Vの本拠地に乗り込む。4試合勝利がないなか、ここ2試合は引き分けとわずかに前進。20位の岐阜との勝点差は5。その差を詰めるためにも勝利を手にしたい。
■第35節の見どころをチェック
札幌vs水戸
横浜FCvs長崎
山形vs愛媛
C大阪vs岐阜
徳島vs讃岐
松本vs岡山
清水vs町田
千葉vs京都
東京Vvs北九州
熊本vs群馬
金沢vs山口