明治安田生命J1リーグ 2ndステージも第13節までも消化。ステージ優勝争い、チャンピオンシップ出場争い、そして残留争いと、いずれも佳境を迎えている。
9月の3試合で3連勝を達成し、ステージ優勝争いをけん引するのは浦和。鳥栖、FC東京、広島に快勝を収め、盤石の強さを示して優勝に向けて突き進んでいる。直近の広島戦では、多くのピンチを迎えながらも粘り強い守備で凌ぎ、少ないチャンスをモノにするしたたかな戦いを披露。これまでにまとわりついていた「勝負弱さ」のレッテルも剥がれ、したたかなチームへと変貌を遂げている。残り4試合、浦和がこのままトップでゴールテープを切る可能性は十分だ。
2位の川崎Fは苦戦を強いられながらも、9月を2勝1敗で乗り切った。第12節の大宮戦では敗れたものの、続く第13節の横浜FM戦では土壇場で追いつかれながら、最後の最後に決勝ゴールを奪い、勝点3をつかみ取った。やや安定性に欠ける戦いが続いているが、勝利への執念を示しながら、なんとか浦和に食らいついている印象だ。年間勝点では1位をキープし、2位の浦和とともにチャンピオンシップ出場も決めた。年間勝点1位と逆転でのステージ優勝をかけ、残り4試合に挑むことになる。
上位2チームに迫る勢いなのがG大阪。第13節のFC東京戦こそ引き分けに終わったものの、甲府と名古屋からはきっちりと勝利を挙げ、首位の浦和とは4ポイント差に付ける。長沢 駿やアデミウソンら攻撃陣が好調で、守備の強固さも備わっている。勝ち方を知る成熟されたチームなだけに、プレッシャーのかかるシーズン終盤の戦いにおいても、安定した戦いを示していくはずだ。
同じく好調を維持するのが4位の神戸と5位の柏。第12節の直接対決で引き分けた両者は、その他の2試合では確実に結果を出した。とりわけ勢いを感じるのは神戸で、磐田、福岡からともに4ゴールを奪って勝利を収めている。レアンドロとペドロ ジュニオールの強力2トップが好調を維持しており、その破壊力はリーグ屈指だろう。首位の浦和とは勝点5差。この勢いを保てれば、劇的なクライマックスが待ち受けるかもしれない。
好調を維持していた横浜FMと鳥栖だが、逆転優勝は厳しい情勢に。特に鳥栖は9月の3試合を1分2敗で終え、勢いがトーンダウンした印象は否めない。一方で大宮と鹿島は浮上の気配を漂わせている。とりわけ家長 昭博の好調ぶりが際立つ大宮は、川崎F、広島を撃破するなど、インパクトのある戦いを示した。
広島、FC東京、仙台といった中位陣はなかなか勝点を伸ばせず、上昇できなかった。一方で残留争いには変化が生まれそうな気配が漂う。田中 マルクス闘莉王が復帰した年間勝点16位の名古屋が、9月は2勝1敗で勝点6を獲得。3戦全敗に終わった15位の新潟に1ポイント差に肉薄したのだ。
この状況を受け、新潟は27日に吉田 達磨監督の退任を発表。残り4試合をこれまでコーチを務めていた片渕 浩一郎新監督に託すことになった。果たしてその決断は吉と出るのか。今後の新潟の戦いに注目が集まる。
湘南と福岡は厳しい状況に追い込まれた。湘南は1分2敗、福岡は1勝2敗とわずかに勝点を伸ばしたが、これまでのビハインドを覆すには至らず。両者ともに次節にも降格が決定する可能性が生まれている。