今節の注目マッチは、なんといっても浦和と川崎Ｆの首位決戦だろう。前節、2ndステージの首位に立った浦和に対し、その座を奪われた川崎Ｆがいかに追いすがっていくか。ステージ優勝争いだけでなく、年間勝点争いも左右する、今シーズンで最も重要な一戦といっても過言ではない。
ホームの浦和は隙のない戦いで順調に勝点を積み上げている。前節も名古屋に2-0と完勝を収めており、試合を重ねるごとに安定感を増している。今節よりリオ五輪に出場していた興梠 慎三と遠藤 航の復帰も濃厚で、戦力面でも不安要素は見当たらない。前回対戦でも川崎Ｆには快勝を収めているだけに、相性の側面からも優位性が浮かび上がる。勝てば年間勝点でも首位に浮上するだけに意気込みも相当だろう。ホームで川崎Ｆを返り討ちにし、優勝への大きな一歩を踏み出したい。
対する川崎Ｆは前節、鳥栖に敗れて首位から陥落した。鳥栖の堅守を崩せずに完封負けを喫しており、攻撃スタイルが売りの川崎Ｆにとってはショックの大きい敗戦だっただろう。そのダメージをいかに振り払い、今節に臨めるか。浦和のハイプレスをかいくぐり、普段通りにパスをつなげるかも重要になってくる。いずれにせよ、リーグ屈指のタレントと組織力を備えるチーム同士の一戦なだけに、激戦は必至。大一番を制し、優勝に近づくのは果たしてどちらのチームか。
Ｇ大阪と神戸の“関西ダービー”も興味深い一戦だ。Ｇ大阪は3連勝中と波に乗り、神戸も前節FC東京に4-1と大勝を収めている。昨季のような勝負強さを再び示し始めているＧ大阪は、このライバル対決を制し、優勝争いが佳境を迎える終盤の戦いへ弾みを付けたい。一方の神戸は外国籍選手が好調を維持しており、彼らのパフォーマンスがカギを握る。どちらも良い状態にあるだけに、白熱の攻防が期待できそうだ。
こちらも好調の鳥栖は、磐田の本拠地に乗り込む。堅い守りと隙を逃さないしたたかな戦いぶりで、2ndステージで躍進を遂げる鳥栖は、さらなる上昇のためにもアウェイで白星を手にしたい。一方の磐田は、3連敗中で2ndステージはいまだ勝利がない。苦しい状況に置かれるなか、攻撃の軸を担っていた小林 祐希が移籍し、戦力的にも厳しくなっている。この苦境をいかに打破していくのか。名波 浩監督の手腕に注目したい。
2ndステージでいまだ負けがない横浜FMは、FC東京とアウェイで対戦。大黒柱の中村 俊輔が不在のなかでも粘り強く勝点を積み重ねているものの引き分けも多く、勝ち切ることが優勝争いに踏み止まるために求められている。一方のFC東京は前節、神戸に完敗。監督交代後に抱えていた守備の不安が露呈した格好だ。ここをいかに修正していくかが、大きなテーマとなりそうだ。
5試合負けなしと好調の仙台は、アウェイで大宮と対戦。ウイルソン、ハモン ロペスと攻撃陣が好調で、前節も柏に4ゴールを奪っての快勝。守備陣も安定感を高めており、一気に上位進出を窺う気配だ。対する大宮も徐々に調子を上げている。前節は終了間際の失点で勝利を逃したものの、攻撃面が良化してきているのは好材料。先行逃げ切りを実現し、浮上への足がかりをつかみたい。
残留争いの渦中にある4チームはすべてアウェイゲームとなる。年間勝点で15位の甲府は広島に挑む。前節は新潟に競り勝つなど、状態は悪くない。ドゥドゥが加入した攻撃陣も調子を上げているだけに、一気にライバルチームを引き離したいところ。広島も2連勝中と調子を上げているが、今節は得点源のピーター ウタカの出場が微妙な情勢。出場機会に恵まれていない佐藤 寿人に出番が訪れる可能性もある。復権を目指すこのストライカーのパフォーマンスに注目したい。
年間16位の名古屋は柏と対戦。2ndステージでいまだ勝ちがなく、得点もわずかに1点のみ。好転の兆しが見えないなかで、求められるのは個々の奮起だろう。とりわけ永井 謙佑ら前線のタレントに、かかる期待は大きい。
6連敗中の17位湘南は、鹿島に乗り込む。攻撃スタイルは健在で得点も奪えているなか、いかに失点しないかが最大のテーマだろう。個人の力で最終ラインを破られてしまう場面が目立つだけに、いかに組織的に対応できるか。持ち前の走力を守備にも生かしたい。
年間順位で最下位に沈む福岡は新潟と対戦する。2ndステージに入ってもなかなか勝点を積み上げられず、5試合勝利から見放されている。守備の安定感は備わっており大敗はないものの、1点差で競り負ける勝負弱さを露呈。90分間ハードワークを徹底し、1点を守り切る戦いを実現したい。
■2nd 第9節の見どころをチェック
鹿島vs湘南
大宮vs仙台
浦和vs川崎Ｆ
柏vs名古屋
FC東京vs横浜FM
新潟vs福岡
磐田vs鳥栖
Ｇ大阪vs神戸
広島vs甲府
