明治安田生命J1リーグ 1stステージは、今節でいよいよフィナーレを迎える。鹿島と川崎Fに絞られた優勝争いは、果たしてどのような決着を見るのか。
前節、ついに首位に浮上した鹿島は、圧倒的優位な立場で最終節を迎える。対戦相手は最下位に沈む福岡。通算対戦成績では14勝1分1敗と、まさにお得意さまと言えるチームだ。現在5連勝中と隙のない戦いを続ける鹿島だが、不安要素を上げるとすれば、カイオと昌子 源の出場停止だろう。攻守のキーパーソンを欠くのは確かに痛手で、代役の選手のパフォーマンスが大きなカギを握る。対する福岡は、前節川崎Fと引き分けており、目前での優勝を阻止した。今節もアウェイとはいえ、同じような気持ちで臨んでくるだろう。それでも勝利の美酒を何度も味わってきた鹿島は、たとえ優勝のかかった試合でも重圧に苛まれず、普段通りの戦いを演じるはずだ。果たして県立カシマサッカースタジアムに、歓喜は訪れるだろうか。
2位の川崎Fはホームに大宮を迎える。前節は序盤の2失点が影響し、福岡とドロー。中村憲剛を欠いた影響もあり、重圧のかかる一戦で結果を出せなかった。今節も中村の出場は微妙な情勢。ほかにも負傷者が生まれており、状態は決して万全とは言えない。しかも対戦相手の大宮は、現在5位と好調を維持。堅守に加え、前線に質の高いタレントを擁しているだけに、川崎Fにとっては一筋縄ではいかない相手だろう。とはいえ逆転優勝のためには勝利こそが求められる。まずは確実に結果を出し、朗報を待ちたい。
3位の浦和は、水曜日のFC東京戦から中2日での一戦に。後半の3ゴールで逆転勝利を挙げているだけに、勢いは備わる。問題はコンディション面。とりわけ中盤から前の選手に疲労の色が滲んでいるだけに、メンバー構成も含めペトロヴィッチ監督のマネジメント能力がカギを握りそうだ。6試合勝利がない神戸にとってはここが踏ん張りどころ。前節は鹿島に逆転負けを喫しているだけに、とりわけ後半の戦い方がこの試合のテーマとなるだろう。
同じく中2日での試合となるFC東京はアウェイで横浜FMと対戦。浦和に逆転負けを喫したショックをいかに振り払い、この試合に臨めるか。浦和戦でキレのある動きを見せていたムリキのパフォーマンスにも注目が集まる。横浜FMは2試合勝利がないものの、前節は大宮を押し込む戦いを演じた。チャンスを作りながらもゴールが遠かっただけに、前線の奮起が求められる。
前節、浦和を撃破し4位に浮上した広島はアウェイで甲府と対戦。エース佐藤 寿人に待望のゴールが生まれた一方で、キャプテンの青山 敏弘が負傷離脱。青山以外にも負傷者が続出している状況なだけに、総力戦でこの窮地を乗り切りたい。甲府は前節の敗戦で17位に転落。苦しい戦いが続くなか、柏への移籍が決定したクリスティアーノは最後の試合で勝点3を置き土産にできるのか。このストライカーにかかる期待は大きい。
4連勝と波に乗る仙台は磐田の本拠地に乗り込む。攻守両面で安定感を高め、上位進出も視野に入れる。1stステージを5連勝で締め、2ndステージでの飛躍へとつなげたい。対する磐田は3試合勝利がない。湘南に完封負けを喫した前節も含め3試合ノーゴールと、得点力不足を露呈している。内容は悪くないだけに、チャンスを決めきる決定力こそが求められるだろう。
その磐田に勝利した湘南は3試合負けがなく、降格圏からの脱出も見えてきた。今節はアウェイで柏と対戦。こちらは3試合勝利がなく勢いが失われつつあるが、ポテンシャルを秘めた若手の爆発力はやはり侮れない。ともにアグレッシブなサッカーを体現しているだけに、多くのゴールが生まれるエキサイティングな試合が期待できそうだ。
新潟と鳥栖は、ともに復調の気配を漂わせている。新潟は2試合連続ゴール中の成岡 翔が絶好調。鳥栖も豊田 陽平、鎌田 大地と前線のタレントが結果を出している。ハードワークをベースに素早いサッカーを展開する両者の一戦は、攻守が目まぐるしく入れ替わる白熱の一戦となるだろう。
前節、鳥栖に敗れ浮上のチャンスを逃したG大阪はホームに名古屋を迎える。ふがいない成績に終わった1stステージを勝利で締めくくりたいのはもちろん、アウクスブルクへの移籍が決まった宇佐美 貴史にとってはラストゲームとなる。3試合連続ゴール中とようやくエンジンがかかってきたエースが、ラストマッチで輝きを放つのか。宇佐美のパフォーマンスに要注目だ。対する名古屋は7試合勝利から見放されており、今節も結果を出せなければ降格圏に転落する可能性もある。前節、負傷交代したシモビッチの出場が微妙な状況の中、窮地を救う救世主の台頭が求められる。
■1st 第17節の見どころをチェック
鹿島vs福岡
浦和vs神戸
柏vs湘南
川崎Fvs大宮
横浜FMvsFC東京
甲府vs広島
新潟vs鳥栖
磐田vs仙台
G大阪vs名古屋