水曜日に行われた第17節から中3日(札幌vs長崎は中4日)での開催となる今節は、ハードな日程にどう対応するかが各チームに課せられたテーマとなる。
首位の札幌は唯一、月曜日に試合が行われる。ここ2試合勝利がなく勢いが失われつつあるが、その原因は先手を奪われる展開が続いていること。第16節の千葉戦ではなんとか引き分けに持ち込んだものの、第17節の松本戦ではいったんは追いつきながらも再び引き離され敗れている。そのため今節は試合の入り方がポイントとなるだろう。落ち着いて試合を進めながら、徐々に流れを引き寄せたい。対する長崎は調子を上げていたものの、前節はC大阪に惜敗。それでも得点源の永井 龍が好調を維持しているだけに、このエースの働きが今節もカギを握りそうだ。
そのほかの10試合は日曜日にキックオフされる。注目は3位岡山と2位松本の直接対決。リーグ最多得点を誇る攻撃力が売りの岡山に対し、松本はハードワークを武器に攻守にバランスの良いサッカーを体現。4連勝中と絶好調の松本が優位と見られるが、岡山も10番を背負う矢島 慎也が復帰後に2連勝とこちらも上り調子にある。前節はともに厳しい戦いをモノにしてこの試合を迎えるだけに、勢いは互角。勝てば首位に立つ可能性もあるだけに、モチベーションも高いだろう。勝利を求める気持ちを前面に打ち出した激戦が期待できそうだ。
4位に転落した町田は、水戸の本拠地に乗り込む。前節は清水の地力に屈したが、終盤に1点を返す粘り強さを示した。上位争いから脱落しないためにも確実に白星をつかみたい。水戸は4試合負けなしと粘り強く勝点を積み上げている。ただし、あと一歩で勝ち切れない試合が続いているだけに、追加点を狙っていくアグレッシブな戦いが求められるだろう。
岐阜のホームに乗り込む5位のC大阪はエース柿谷 曜一朗が離脱。チームの顔である大黒柱を失ったのは、小さくないダメージだろう。前節のヒーローとなった木本 恭生ら台頭しつつある若手を含め、チーム一丸となってこの苦境を乗り切りたい。岐阜は4試合勝利なしと厳しい戦いが続く。上位のC大阪を相手に、まずは課題の守備を徹底し、粘り強く試合を進めていきたい。
清水も大前 元紀の離脱が大きく響きそうだ。ここまで12ゴールを挙げている得点源を失ったことで、戦い方に変化を強いられるかもしれない。横浜FCも体調不良のミロシュ ルス監督が不在と苦しい状況にある。それぞれエースと指揮官が不在のなか、意地を見せるのはどちらのチームか。
京都vs山口も好カードとなった。前者は8試合負けなしと絶好調。後者は勝点こそ伸び悩むも、リーグに旋風を巻き起こす攻撃スタイルは健在だ。安定した守備を誇る京都に対し、山口の攻撃スタイルがどこまで通用するか。試合の見どころはそこに集約されそうだ。千葉も7試合負けなしと好調を維持。今節は東京Vをホームに迎える。前節は山形を3-0と一蹴し、さらに勢いを加速させている。対する東京Vは3試合勝利がなく、なかなか調子が上がってこない。両者の現状を踏まえれば、千葉が試合を優位に進めていきそうだ。
前節、9試合ぶりに黒星を喫した山形にとっては巻き返しの一戦に。千葉を相手に完敗とも言える内容だっただけに、いかに修正できるかがポイントだろう。讃岐も前節は京都に1-3と敗戦。終盤にもろさを見せただけに、90分を通したリスクマネジメントが求められる。
震災後の初勝利を挙げた熊本は、気持ちを新たに今節はアウェイで群馬と対戦する。金沢相手に5ゴールを挙げた前節の戦いぶりは、シーズン序盤の好調時を彷彿とさせるものだった。その流れを今節につなげ、2連勝を実現したい。対する群馬はルーキー瀬川 祐輔の活躍で4試合ぶりの勝利を飾った。こちらも上昇の気配を漂わせているだけに、質の高い攻防が期待できるだろう。
愛媛vs徳島の四国ダービーも注目だ。ともに現状は中位にとどまっているが、ライバル意識をむき出しにしたダービーはやはり特別。意地とプライドがぶつかり合う熱いバトルに期待したい。北九州vs金沢は22位と21位のいわば“裏天王山”。金沢は復調の気配を見せているが、北九州は4連敗中と苦境に立たされている。長いトンネルからいかに抜け出すか。柱谷 幸一監督の手腕にかかっている。
■各試合の見どころをチェック
水戸vs町田
清水vs横浜FC
岐阜vsC大阪
山形vs讃岐
北九州vs金沢
群馬vs熊本
千葉vs東京V
京都vs山口
岡山vs松本
愛媛vs徳島
札幌vs長崎