明治安田生命J1リーグ 1stステージもいよいよ佳境を迎えている。注目はやはり優勝争い。第14節終了時点でその可能性は、上位3チームに絞られたといっていいだろう。
首位の川崎Fは横浜FMとの神奈川ダービーに臨む。前節は終了間際の決勝点で磐田から勝利を挙げたように、ステージ終盤にきて勝負強さを増しつつある。今節も中村 憲剛を軸とした攻撃で相手を押し込む展開が予想されるなか、期待されるのはやはり大久保 嘉人の決定力。ここ2試合得点がないが、貪欲なまでにゴールを目指すこのストライカーが、優勝街道を突き進むチームを力強くけん引していくはずだ。対する横浜FMは2連勝中と状態を上げている。堅守に加え攻撃陣も勢いを増しているだけに、川崎Fにも互角に渡り合えるはず。中澤 佑二を中心に後方を固め、鋭いカウンターで相手の隙を突きたい。
今節最大の注目マッチは3位浦和と2位の鹿島の直接対決だろう。これまでにも数多くの名勝負を演じてきた両雄が、優勝をかけたこのステージ終盤に相まみえることとなった。3連勝中の鹿島に対し、浦和はここ2試合引き分けと勢いでは劣る。ただし相性の側面で見ると、浦和は現在、鹿島に2連勝中で、11試合負けがない。もちろん過去のデータに過ぎないものの、精神的に優位に立てるのは間違いないだろう。ともに質の高いタレントと戦術を備えており、勝敗を予想するのは容易ではない。「勢い」か、「相性」か。いずれにせよ、意地とプライドをかけた激闘が繰り広げられることは必至だ。
わずかに優勝の可能性を残す4位の大宮は新潟の本拠地に乗り込む。前節、2点のリードを守り切れずに引き分けた大宮とすれば、そのダメージを引きずらず、上手く切り替えることが重要だろう。9試合勝利から見放されている新潟だが、怪我で離脱していた鈴木 武蔵が復帰するなど明るいニュースもある。若いタレントを数多く備えているだけに、彼らの奮起が苦境脱却のポイントとなるかもしれない。
勢いに陰りが見えてきた柏にとっては踏ん張りどころ。今節は仙台をホームに迎える。課題は前節3失点を喫した守備。アグレッシブな攻撃は機能しているだけに、ここを上手く修正できれば再び上昇気流を掴めるはずだ。一方の仙台は一時期の苦境を脱し、状態は上向きにある。攻撃パターンも多様化してきているだけに、その良い流れを今節にもつなげられれば勝機は高まるだろう。
6位の広島は神戸とのアウェイゲームに臨む。前節、福岡を相手に4ゴールを奪ったように攻撃陣の状態は良好。U-23代表、日本代表と多忙を極めていた浅野 拓磨もようやくチームに合流し、さらに勢いは増していきそうだ。神戸はリーグ戦ここ4試合勝利がなく、状態は下降気味。策士ネルシーニョ監督がどのような修正を施してくるかに注目が集まる。広島対策として3-4-2-1の布陣を敷いてくることも考えられる。広島の特長を消し去ることができれば、5試合ぶりの勝利に大きく近づけるだろう。
G大阪は下位に沈む湘南とのホームゲーム。前節はFC東京にいいところなく敗れたが、宇佐美 貴史が日本代表で活躍し、状態を上げているのは好材料。このエースにゴールが生まれるようだと、チームも再び加速していくはずだ。湘南は前節名古屋に勝利し、連敗をストップさせている。個の能力ではG大阪に劣るものの、全員攻撃・全員守備の組織力では負けていない。いかに集中力を切らさずハードワークを続けられるか。勝利を手にするポイントはこの一点に尽きるだろう。
磐田vsFC東京も興味深い一戦だ。ともに戦術家が指揮を執るチーム同士の対戦だけに、両監督の采配には大いに注目したい。またFC東京の前田 遼一にとっては15年間在籍した古巣との一戦となる。現在、J1通算149得点を記録しており、この試合でゴールを奪えば150得点に到達する。記録達成の舞台は整った。果たしてメモリアルゴールを決められるか。
ともに白星から遠ざかる名古屋vs鳥栖は、浮上のきっかけをつかむためにも、勝点3の確保が最大のテーマに。シモビッチ、豊田 陽平の両ストライカーのパフォーマンスが勝敗分かつ重要なポイントなりそうだ。甲府vs福岡も目的は同じだろう。とりわけ最下位に沈む福岡とすればひとつでも多く勝点を積み上げたい状況にある。なかなか得点パターンを見いだせていないだけに、ウェリントン、城後 寿ら攻撃陣の奮起が求められる。
■1st 第15節の見どころをチェック
新潟vs大宮
G大阪vs湘南
横浜FMvs川崎F
磐田vsFC東京
甲府vs福岡
神戸vs広島
浦和vs鹿島
柏vs仙台
名古屋vs鳥栖