6節を終えて首位に立ったのは長野。4月の4試合は3勝1分けと負けなしで、失点もわずかに1つのみ。数字に示されたこの堅守こそが好調の要因となっている。得点の数こそ物足りないものの、6節のYS横浜戦では今季初の複数得点を奪っている。攻撃面がさらに良化していけば、昨季3位の昇格候補が一気に突っ走る可能性もあるだろう。
2位の琉球も俄然好調を維持している。こちらのストロングポイントは攻撃力。ここまで11得点はリーグ最多で、4月の4試合でも7得点を記録。攻撃サッカーがうまく機能しており、エース田中 恵太もコンスタントにゴールを奪っている。失点の多さを補って余るアグレッシブなスタイルで今後もリーグをけん引していく存在であることは間違いない。
秋田も躍進を遂げている。こちらも4月は3勝1分と無敗で乗り切り、一気に3位へと浮上。前線の連動性がチームの肝で、接戦をものにする勝負強さも芽生えてきた。2年目を迎える間瀬 秀一監督のもと、昨季8位に終わったチームが飛躍の予感を漂わせている。
1試合消化が少ないながら、相模原、大分、富山の3チームも上位を窺う位置に付けている。相模原はリーグ最少失点の堅守が光り、大分は攻守にバランスの取れたサッカーを実現。富山は三浦 泰年監督のもと、パススタイルをベースとしたサッカーが機能し始めている。いずれも地力を備えたチームだけに、これから昇格争いに食い込んできそうだ。
一方、J2から降格してきた栃木は苦戦を強いられている。4月は2勝2敗と五分ながら得点力不足に悩まされており、なかなか波に乗れない状態が続く。1年でのJ2復帰に向けて上位から離されないためにも、5月の反攻が求められる。逆に昇格組の鹿児島は健闘を見せている。守備的な戦いでしぶとく勝点を積み上げ、6節を終えて10位とまずまずの順位に付ける。ただし5試合で2得点と攻撃の迫力不足は明らか。ここをどのように改善していくのか。浅野 哲也監督の手腕に注目だ。
今季から参戦するU-23チームのなかでは、G大23が奮闘している。ここ数試合は勝ちきれない戦いが続いているが、リーグ2位の10得点とアグレッシブな戦いが光る。チームをけん引するのは堂安 律。昨季にトップデビューを飾った17歳のルーキーは、ここまで4ゴールを挙げ得点ランクのトップに並ぶ。特大のポテンシャルを秘めたこの逸材が、J3の舞台で着実に成長を遂げている。
下位に目を向けるとYS横浜、鳥取、盛岡の3チームが厳しい戦いを強いられている。とりわけYS横浜は4月を全敗で終えた。4試合で1得点・9失点と攻守に精彩を欠く状態だ。決して一方的にやられているわけではないが、ここぞという場面での勝負強さが足りず、なかなか結果へと結びつけられていない。経験豊富な樋口 靖洋監督のもと、苦境からの脱却を実現したい。