今節の注目は、なんといっても川崎Fvs浦和の上位決戦だろう。勝点17で首位に立つ川崎Fと1ポイント差で追いかける浦和の直接対決。1stステージ前半戦の最大の山場と言える一戦だ。
前節、多摩川クラシコをものにした川崎Fは、この試合で負傷した大久保 嘉人も浦和戦には出場できる見込み。水曜日に行われたヤマザキナビスコカップでは主力を温存させており、コンディション面に不安はない。一方の浦和は、AFCチャンピオンズリーグのシドニーFC戦をアウェイで戦ったことがどこまで影響を及ぼすか。もっともこの試合でグループステージ突破を決めたため、チームの士気がさらに高まっていることは容易に想像できる。優れた戦術とタレントを擁し、さらに勢いをも備える両者の激突なだけに、質の高い攻防が繰り広げられることは間違いない。どんな結末が待ち受けるのか。大いに楽しみにしたい。
ともに2連勝中と好調な2位の鹿島と柏の一戦も興味深い。鹿島は堅守に加え、攻撃陣も調子を上げており、今週ヤマザキナビスコカップの試合がなかったため、コンディション面にも不安がない。対する柏は攻守に安定感が芽生え、リーグ戦だけでなくヤマザキナビスコカップでも結果を出している。金崎 夢生、ディエゴ オリヴェイラと両ストライカーが出場停止なのは残念だが、代わって出場する選手のパフォーマンスにも注目したい。
こちらも上位対決となったのは横浜FMvs広島。前節はともに快勝を収めており、連勝をかけた一戦となる。とりわけ横浜FMは前節5ゴールを挙げて大勝を収めているだけに、その勢いをつなげたいところ。一方の広島は、水曜日に中国でACLを戦ったため、コンディション面には不安が残る。ACL敗退から切り替えられるかもポイントとなるだろう。
名古屋vs新潟は「連敗脱出」がテーマとなる。楢﨑 正剛、レオ シルバとともに主軸を欠いて臨む一戦となるだけに、不安要素も否めない。新潟は水曜日にヤマザキナビスコカップがなかったため、コンディション面では一日の長があるだろう。苦境を脱し、好転のきっかけをつかむのは果たしてどちらのチームか。
より深刻なのは仙台だろう。現在、リーグ戦4連敗中でしかもここ3試合はすべて3失点。自慢の堅守が崩れているだけに、ここの修正なくして復調は難しい。渡邉 晋監督がどのように立て直してくるのか。その手腕に注目だ。一方の神戸はリーグ戦3試合負けなしと好調を維持。渡邉 千真らがコンスタントに得点を奪えており、今節も攻撃陣のパフォーマンスがカギを握るだろう。
苦しい戦いが続くG大阪は、こちらも苦戦中の福岡と対戦。ACL敗退のショックからうまく切り替えられるかがこの試合の重要なテーマ。対する福岡は決して万全ではないG大阪の隙を突けるかがポイントだろう。90分間に渡りハードワークを怠らず堅守速攻を徹底すれば、初勝利も見えてくるはずだ。
因縁の一戦として注目なのが甲府vsFC東京。FC東京の城福 浩監督が古巣に挑む構図だが、ただし、指揮官にはそこまでの余裕がないかもしれない。現在リーグ戦2連敗中で、ACLでも全北現代に完敗を喫したばかり。ショッキングな敗戦が続くなかで、いかにチームを立て直せられるか。城福監督の腕の見せどころだ。
開幕以来勝ちがない鳥栖は、前節横浜FMに大敗を喫した磐田と対戦。両チームともに水曜日のヤマザキナビスコカップでも結果を出せておらず、状態は決していいとは言えない。とりわけ磐田は小林 祐希が出場停止、コンディションに不安を抱えるジェイの出場も微妙と戦力的には厳しい情勢だ。悪い流れを断ち切るべく、新たな戦力の台頭が望まれる。
湘南vs大宮は4月6日のヤマザキナビスコカップと同カードに。その試合ではネイツ ペチュニクのゴールで1-0と大宮が勝利しているが、異なるコンペティションでいかなる戦いが繰り広げられるのか。最下位に沈む湘南とすれば、とにかく結果がほしいところ。リーグ最多18失点を喫する守備の整備こそがまずは求められるだろう。
■各試合の見どころをチェック
名古屋vs新潟
神戸vs仙台
福岡vsG大阪
横浜FMvs広島
甲府vsFC東京
鹿島vs柏
川崎Fvs浦和
鳥栖vs磐田
湘南vs大宮