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鹿児島「挑戦者であっても勝利にこだわる姿勢を崩さない」【プレビュー:ニューイヤーカップ】

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2016年2月2日(火) 11:35

鹿児島「挑戦者であっても勝利にこだわる姿勢を崩さない」【プレビュー:ニューイヤーカップ】

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鹿児島「挑戦者であっても勝利にこだわる姿勢を崩さない」【プレビュー:ニューイヤーカップ】
スムーズな攻守の切り替えに裏打ちされたアグレッシブなサッカーを掲げる浅野監督。

2016シーズンより明治安田生命J3リーグに参入する鹿児島ユナイテッドFC。2013年末にヴォルカ鹿児島とFC KAGOSHIMAという二つのクラブが統合し、翌2014年よりJFLに参戦。長短のパスでゲームをコントロールするボランチの赤尾 公や、カバーリングと1対1の強さが光るセンターバックの水本 勝成など合併前からプレーする両クラブの主力をベースに、必要最小限の補強で継続性ある強化を図ってきた。そして発足2年目となる昨シーズンは、かつてアビスパ福岡で指揮を執った浅野 哲也監督に率いられてJFL4位の成績を残し、晴れて鹿児島県初となるJリーグ入りを果たした。

浅野監督が掲げるのは『ボールを失ったらすぐに奪い返す守備』と『ボールを奪ったら一気にゴールを襲う攻撃』。つまりスムーズな攻守の切り替えに裏打ちされたアグレッシブなサッカーだ。昨シーズン終盤はワントップの山田 裕也、左MF田上 裕と右MF新中 剛史の両サイドハーフが持つスピードと運動量を生かした堅守速攻のスタイルが機能し、J3入会条件を勝ち取った。これまでチームのベースとなってきた4-2-3-1システムは、新シーズンも維持される見込みだ。

一方、昨シーズンから課題として持ち越されたのは、チャンスにおけるラストパスやシュートの精度。そこで今オフはJFLのSP京都FCから俊足FW藤本 憲明、左足の正確なキックが魅力の麻生 瞬らを獲得。さらにMFながら九州大学リーグで得点王に輝いた鹿屋体育大の中原 優生、日本体育大からはサンフレッチェ広島ユース出身のFW藤井 貴之ら大卒選手も迎え、新たな戦いに向けて得点力アップを図っている。

とはいえ、着実にリーグ全体のレベルが上がっているJ3リーグにあって、鹿児島は現時点で完全なる挑戦者。シーズン開幕戦ではJ2経験クラブのカターレ富山、続く第2節ではかつてJ1を席巻し、ヤマザキナビスコカップを制したこともある大分トリニータをホームに迎えるだけに、この開幕2連戦でいかなる内容と結果を得られるかがリーグ戦の行方を左右しかねない。

新たなチャレンジで好スタートを切るためにトレーニングを積むチームにとって、2月3日に開幕するJリーグ・スカパー!ニューイヤーカップの鹿児島ラウンドは、J3リーグ開幕に向けた試金石となるだろう。昨シーズン、改修工事のためにJFLセカンドステージ最終節でしか使えなかった鹿児島県立鴨池陸上競技場が会場となる。これから主戦場になる“オレたちのホーム”で、Jクラブとしてのお披露目マッチを迎えることとなる。

J3開幕に向けてそれぞれの思いを語った選手たち。
J3開幕に向けてそれぞれの思いを語った選手たち。

浅野監督は「チャレンジャーとして、カテゴリーが上のクラブに通用するかどうかを試すチャンス」と位置付けつつも、「鹿児島の人たちに勝つ姿を見てもらいたい」と勝利へのこだわりを強調する。副主将の赤尾 公も「上のカテゴリーのクラブと真剣勝負ができるし、何が通用するのか、何が通用しないのか試すチャンス。もちろん、やるからには勝つ」と臆する気配は微塵もない。同じく副主将の谷口 功にとって6日に対戦するギラヴァンツ北九州は古巣でもある。「練習試合は別にして、公式戦で対戦できるチャンスなんてそんなにない。元チームメート相手に自分自身を試したいし、『やってやる』という気持ちです」と意気込む。3人目の副主将となった23歳の高野 光司は「いいスタートを切るチャンスだし、勝つことで知名度が上がるはず」と、開幕以降に向けた盛り上がりにも目を向ける。

そして30歳にして初めてJリーグのピッチに立つ主将・田上 裕は「故郷にJクラブの誕生を待ち望んでいました。Jリーグのクラブとして迎える初の公式戦でいい結果を出して鹿児島の人たちに喜んでいただきたいし、しっかりと開幕につなげたい」と積年の思いを胸に歩を進める。

選手やサポーターはもちろん、県民一人ひとりにとっても悲願となるJの舞台。先輩Jクラブにとっては見慣れた景色も、鹿児島にとってはすべてが新鮮な驚きとなる。だが、Jリーグに入るだけで明るい未来が約束されているわけではないことは誰もが理解している。それでも今、鹿児島のクラブ内外には「自分たちでJリーグを楽しむ」、そして「自分たちが鹿児島を盛り上げる」という強い気持ちが満ちつつある。全国のサッカーファンへ鹿児島の熱を届けるために、今回のJリーグ・スカパー!ニューイヤーカップは格好の機会となる。

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