「2015 Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ」の鹿児島ラウンド最終戦が14日に行われ、清水エスパルスと浦和レッズが対戦。2連敗中の清水は4-2-3-1、勝てば優勝の決まる浦和は3-4-2-1の布陣で臨んだ。
序盤から浦和が丁寧にボールをつないでペースを作ると、13分にチャンスをつかむ。右サイドでボールを持った宇賀神友弥が中央に供給し、石原直樹がワンタッチではたくと、そこに走り込んだ李忠成が右足でシュートを放った。これはクロスバーを越えたが、そこから浦和の攻勢が続く。18分、高木俊幸の右CKから中央の李忠成がヘディングで合わせて豪快にゴールネットを揺らし、セットプレーから均衡を破った。
浦和はさらに24分、ピッチ中央で李が左サイドへ展開すると、ボールを受けた橋本和が絶妙なクロス。「クロスのクセに合わせるように入った」という李がゴール前へ一気に走り込んでダイビングヘッドを叩き込み、リードを広げた。
2点差をつけた浦和は、28分に3選手を交代。鈴木啓太、石原直樹、高木俊幸に代えて柏木陽介、武藤雄樹、梅崎司を投入した。すると交代選手がいきなり結果を出す。29分、橋本の浮き球を李が頭で落とし、走り込んだ武藤が左足のシュートで清水ゴールを破った。
一方的な展開となったが、清水も反撃。31分に村田和哉のパスから大前元紀がGKと一対一となる決定機を迎えたが、シュートは浦和GK西川周作に弾かれ、リバウンドも大前が押し込もうするも再び西川に阻まれた。38分にもゴール前で直接FKを得たが、大前のシュートは枠を捉えきれなかった。
チャンスを決めきれずにいた清水だが、43分に反撃が実る。白崎凌兵のスルーパスから右サイドを抜け出した村田がゴール前にグラウンダーのクロス。これをファーサイドに走り込んだ大前が押し込み、前半のうちに1点を返した。
2点差で迎えた後半、先にゴールを奪ったのはまたも浦和だった。54分に阿部勇樹がスルーパスを前線に送ると、これを受けた李がドリブル突破。相手DF2人を抜き去り、冷静に左足でシュートを沈めてハットトリックを達成した。「シュートを打てば全部入るような日だった」という李は、65分にもカウンターから柏木のスルーパスで抜け出し、右足を振り抜いてこの日自身4ゴール目を挙げた。
大差をつけられた清水だが、66分に途中出場していた六平光成のパスカットから村田が持ち込み、そのままゴール。79分にもカウンターから村田が右サイドを抜け出して中央にクロスを上げると、走り込んだ大前が左足のダイレクトシュートでさらに1点を返した。
終盤まで互いにゴールを奪い合う展開となったが、李の4ゴールもあって浦和が5-3で勝利。清水は3連敗で大会を終えたものの、大榎克己監督は「今までの2試合はチャンスを作れていなかったが、相手のゴール前に進入することが少しずつできてきた」と収獲を口にした。
大会を2勝1分けで乗り切った浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は「我々が勝たなければなかったカップ」というミッションを クリアし、「2015 Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ」の鹿児島ラウンドを制している。
文=サッカーキング編集部