「2015 Jリーグ・スカパー!ニューイヤーカップ」の鹿児島ラウンド初戦は、清水エスパルスとジュビロ磐田の静岡ダービー。あいにくの雨に見舞われた一戦は、立ち上がりから清水が出足の良さを武器に攻勢に立つ。ただ、素早い攻守の切り替えを見せ、選手間もいい距離を保ちながら、アタッキングサードでのアイデアに欠け、決定機な場面を作るには至らない。
対する磐田は右サイドを中心に巻き返しを図ると、25分に上田康太が強烈なミドルシュート。これは相手GKに阻まれたが、これで得た右CKを中央の櫻内渚が押し込んで磐田が先制点を奪う。「康太くんからいいボールが上がって、ニアでうまく潰れてくれて、自分のところにボールが来た。前日に練習していた形でした」(櫻内)という狙いどおりのセットプレーで先手を取った。
思うようにゴール前で怖さを出せなかった清水は後半開始から最前線に北川航也を投入。これがいきなり吉と出る。46分、六平光成のスルーパスに「裏のスペースを狙っていた」という北川が鋭く抜け出して同点に。
その後、清水は全体的に運動量が落ちながらも、途中出場の村田和哉が左サイドから果敢にドリブル突破を図り、磐田は上田の縦パスからチャンスを作って応戦。ともに持ち味を出しながらゴールを狙った。
試合が動いたのは88分。磐田は後方からのロングボールを大卒ルーキーの清水貴文が前線で収めて勝負を仕掛け、巧みな切り返しから左足でゴール。これが決勝点となり、磐田が2-1でプレシーズンの静岡ダービーを制した。
文=青山知雄(サッカーキング)