ホームでの第一戦から一夜明け、試合に出場した主力組はプールでの回復トレーニング。それ以外の選手は通常どおり10時からの練習を行った。
前夜の敗戦によるメンタル的な影響が心配されたが、基本的に勝敗によるメンタル的な揺れの少ないチームだからだろう。「引きずっても仕方がない。修正する時間もないと考えてもここから試合までのメンタルが重要になる。コンディションの部分はリーグ戦ということでは次は最後だと考えても問題ない。持っている力を精一杯出し切って戦いたい」と遠藤 保仁。その他の選手も同様に昨夜とは対照的なすっきりした表情を浮かべ、第2戦での勝利に気持ちを向けた。
「一夜明けて改めて思うのは、僕らにはチャンスしか残されていないなってこと。ロスタイムの2失点は忘れていいと思うし、それまでの戦いを見ても、結果を見ても、同じ戦いをすれば間違いなく勝てると思うので。まずはしっかりと気持ちを切り替え、身体を回復させ、万全のメンタル状態で臨むことだけに集中したい。ガンバにとっては絶好のシチュエーション。昨日の試合も終始ゲームをコントロールできていたからこそ、手応えしかないのでとにかく早く試合がしたいです」(丹羽 大輝)
そしてもうひとつ、選手たちが気持ちを揃えるのには理由がある。それは、第1戦の終盤に退場になったオ ジェソクを慮ってのことだ。退場になった本人は試合後もかなり落ち込んで、無言でスタジアムを後にしたが「昨日のジェソクは素晴らしいパフォーマンスだった。本当に最後まで戦っていたし、誰ひとり彼を責める気持ちはもっていない」と丹羽。と同時に「ジェソクにはしっかりとクラブワールドカップに向けてのコンディションの準備をしておいてくれと言ってある。ジェソクのためにも勝たなければいけない」と言葉を続けた。
「ジェソクの分まで戦って絶対に優勝したい。僕も準決勝ではチームメイトに助けられましたが、それがチームスポーツの良いところ。だからこそ、今回の試練もチームみんなで乗り越えたい。あと半分、チームのために、ジェソクのために、サポーターのために、応援してくれるいろんな人たちのために責任を持って最後まで戦い切りたいと思う」(丹羽)
その思いはきっと、大きな力となって第2戦を戦う選手を後押ししてくれる。
[文:高村 美砂]